研究課題/領域番号 |
16390293
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大津 真 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30361330)
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研究分担者 |
有賀 正 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60322806)
宮本 正樹 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (40333611)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | CXCR4 / CXCL12 / 造血幹細胞移植 / 生着不全 / レトロウイルスベクター / WHIM症候群 / 血液幹細胞 / 骨髄移植 / レトロウイルベクター / WHIM |
研究概要 |
本研究は、造血幹細胞移植において成否の鍵を握る「生着」を改善させるための技術的革新を目的として計画された。 移植後の細胞の生着を改善する遺伝子改変が可能か、レトロウイルスベクターを用いて、in vitroおよびin vivoマウス骨髄移植モデルにて検証した。生着現象への関与が知られるSDF-1/CXCR4シグナルに着目し、野生型CXCR4レセプターの移植骨髄細胞での過剰発現を試み、異種間移植(ヒト血液幹/前駆細胞を免疫不全マウスに移植)で既に報告のある脾臓への生着改善効果を確認した。本研究ではさらにWHIM症候群患者に見いだされたCXCR4遺伝子変異(細胞内ドメインの欠失)に着目し、SDF-1に対する反応性の増強が期待されるCXCR4変異遺伝子を用いることで、野生型以上の生着改善が可能かを検討した。結果としてin vitroにおいてはWHIM変異型CXCR4過剰発現は、野生型と同様にSDF-1走化性の増強を示すものの、野生型に対しての優位性は証明されなかった。一方で、移植実験を繰り返すことにより既存のin vivo homing assayの問題点が明らかとなり、独自に改良を加えたものの研究期間内にはより正確に機能的生着を評価するin vivo assayの樹立には至らなかった。今後この経験をもとに世界に先駆けての新たなin vivo homing assayの開発が課題として残された。 また、本研究の副産物として新たな知見が得られた。すなわち、WHIM変異型CXCR4は骨髄幹/前駆細胞分画上での発現により、SDF-1による走化性シグナルは伝達するものの、増殖シグナルの伝達が欠落するという現象を見いだした。このことは未だ不明な点の多い多様なCXCR4細胞内シグナル伝達系を分子レベルで解明する糸口として重要な知見であると考えられた。
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