研究課題
基盤研究(B)
造血幹細胞遺伝子治療の効果を改善するため、X連鎖型慢性肉芽腫症(X-CGD)をモデル疾患として、選択的増幅遺伝子(SAG)の改良を行った。SAGは、造血因子受容体とエリスロポエチンEpoにより活性化されて増殖シグナルを発する融合蛋白質をコードする人工遺伝子で、臨床応用を念頭に全てのコンポーネントをヒト化した。コロニーアッセイにて細胞増幅機能を確認した改良型SAGをX-CGD骨髄細胞に導入して同系マウスに移植後、Epoを投与して遺伝子導入細胞の体内増幅が可能か検討した。末梢血中の機能回復顆粒球の割合は、第1クールの刺激にて1.0±0.1%から3.9±0.8%(P=0.006)、第2クールの刺激にては1.5±1.1%から3.2±2.2%(P=0.065)へと上昇し、Epo反応型SAGによって、X-CGDマウスの治療効果が増強しうることが示された。現在、サルを用いた前臨床研究の準備を進めている。細胞輸注の前処置による副作用低減と遺伝子導入細胞の生着促進のため、骨髄内移植法の効果を検討した。X-CGDマウスに低線量(4Gy)のガンマ線を照射後、野生型マウスの骨髄細胞を通常の静注法と骨髄内注入法にて移植し、活性酸素産生能を比較した。10^6個以上の細胞を移植した場合は両者ともに正常細胞が生着したが、それ未満の場合は骨髄内移植法で移植した場合のみ治療域の正常細胞が長期間生着した。骨髄の造血微小環境を形成する間質細胞は間葉系幹細胞(MSC)から分化したものであり、造血幹細胞の生着を促進するとして注目されている。そこで、MSC分化の分子機構1や造血幹細胞との相互作用を解析した。マウス間質細胞10T1/2親株に比べ、造血支持能を有する亜株はSteel factor・CXCL12・Ang-1など造血に関わる液性因子を高発現しており、その発現量が、骨髄球系細胞が分泌するサイトカイン刺激によりさらに増加するとともに、共培養した造血前駆細胞のcobblestone areaおよび造血コロニーの形成が促進された。以上から、MSCの同時移植が遺伝子導入細胞の生着促進に有用であることを示している。
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