研究課題/領域番号 |
16390335
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
笹井 啓資 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20225858)
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研究分担者 |
松本 俊治 順天堂大学, 医学部, 助教授 (60138196)
土田 恵美子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70210630)
笹本 龍太 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (60345501)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 放射線治療 / 放射線感受性 / 食道癌 / 頭頸部癌 / c-erbB-2 / EGFR / 微小核形成試験 / AG1478 / EGFRファミリー / トラスツズマブ / c-erbB2 / 放射線増感 |
研究概要 |
頭頸部癌や食道癌の治療では、侵襲の少ない放射線治療による根治治療に大きな期待が寄せられている。しかし、放射線治療あるいは化学療法併用放射線治療でも治癒困難な症例が多数存在し、可及的早期に放射線治療の可否や方法の適否を判断する必要がある。事前の研究で、食道癌術前放射線治療症例においてc-erbB2の発現が放射線治療一次効果と強く相関することを明らかにし、in vitroでc-erbB2に対するモノクロナール抗体が放射線効果を増強することを示唆する結果を得た。本研究はこれらの追試を行い、さらに臨床応用に近づけることを目的とした。 食道癌細胞株6種類を用いてc-erbB2阻害よる放射線増感効果をコロニー法を用いて検索した。c-erbB2の阻害剤としてトラスツズマブの他、EGFR阻害剤AG1478および他のチロシンキナーゼ阻害剤を検討したが、いずれの薬剤でも放射線の増感効果は認めず、むしろ防護効果が認められた。また附属の実験として、インターフェロンαと放射線との相乗効果に関して検討したが、有意な効果は得られなかった。 化学放射線療法を施行したIIAからIV期食道癌68症例を対象に予後因子の検討を行った。22例がCR、35例がPRであった。42例が再発し41例が癌死した。5年全生存率20%であり、T2-T3MO症例30例では5年全生存率27%であった。このT2-T3MO症例中23例について病理組織標本の再検討を行ったが、有意な結果は得られなかった。また合併症に関しては諸因子を検討した結果、照射範囲のみが有意であった。 予後予測方法の開発を目的に微小核形成試験法の食道癌への応用の可否を検討した。放射線感受性・DNA量・染色体数などの細胞の特徴が異なるヒト食道扁平上皮癌細胞株を用い、微小核形成試験法で得られた微小核頻度とコロニー形成法で得られた細胞生存率の相関について調べ放射線感受性予測の可能性を検討した。DNA量・染色体数などで補正を行っても、他の腫瘍細胞に関する報告とは異なり食道癌の放射線感受性予測が微小核形成試験では困難であることが明らかになった。
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