研究課題/領域番号 |
16390337
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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研究分担者 |
久下 裕司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70321958)
多田村 栄二 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303831)
久米 典昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (20252455)
野原 隆司 田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 研究主幹 (80180769)
向 高弘 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (30284706)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 血栓 / 不安定プラーク / 分子イメージング / 放射線検出器 / グルコース誘導体 / スカベンジャー受容体 / マクロファージ / 放射性プローブ / 超小型放射線検出器 / LOX-1 / F-18 |
研究概要 |
本研究の目的は、虚血性心疾患や脳血管障害などの疾患の基盤的な原因である動脈硬化の質的な診断、特に血栓形成に関与する動脈血管内膜内の不安定プラークの選択的な画像診断のための『分子イメージング』に適した放射性薬剤およびそれによる高感度核医学イメージング法を開発することにある。そこで、血管内のプラークを効率よく測定するために、直接血管内に挿入でき、荷電粒子(ベータ線)の測定を可能とするシンチレータを検出器とする、超小型放射線検出器を作成し、その性能を基本的に評価した。その結果、チューブを用いた模擬的血管内プラークおよび冠状動脈における模擬的血管内プラークを作成し、各点線源の放射能を測定したところ、線源の放射能と超小型放射線検出器による測定値との間には直線関係が得られ、本測定器は定量性に優れた測定が出来ることを見出し、本検出器が血管内から放射能の集積状態を直接測定できる可能性を見出した。また、放射性分子プローブとして、不安定プラークを選択的にイメージングするために、プラークの生成や破綻過程に深く関与するマクロファージに選択的に取り込まれる分子プローブ、およびプラークの生成や破綻過程で特異的に発現する、スカベンジャー受容体LOX-1に高い親和性をもって選択的に結合する放射性プローブをそれぞれ設計、合成し、それらのプラークイメージング剤としての有効性を評価した。前者はグルコース誘導体18-F-フルオロデオキシグルコース(FDG)、後者は二官能性分子プローブの概念のもとに、99m-Tcで標識された抗LOX-1抗体をそれぞれ設計、合成した。両化合物を動脈硬化の実験動物モデル(WHHLウサギ)を用いて組織化学的手法、オートラジオグラフィー(ARG)、体内動態により検討した結果、F-18-FDGは血管内膜の不安定プラークに存在するマクロファージに高く取り込まれること、また、99m-Tc標識抗LOX-1抗体その結果F-18-FDGを用いれば動脈血管内膜内の不安定プラーク部位に選択的に集積していることを見出し、両者とも不安定性動脈硬化プラークの核医学画像診断薬として有用である可能性が示された。
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