研究課題/領域番号 |
16390339
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 修 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50159969)
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研究分担者 |
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
細井 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30291446)
山口 政俊 (山口 正俊) 福岡大学, 薬学部, 教授 (50117280)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | ^<14>C-酢酸 / 脳虚血 / 興奮性アミノ酸 / グリア細胞 / モノカルボン酸トランスポーター / ラット / ^<14>-酢酸 |
研究概要 |
グリア細胞の選択的エネルギー基質としての[^<14>C]-酢酸に着目し、マウス、ラットを用いて脳への取り込み、グリア代謝抑制に対する反応性などの検討を行った結果、[^<14>C]-酢酸はグルコースの約1/3と比較的高い脳移行性を示し、かつグリアのTCA代謝抑制を反映することを明らかにした。更に3分間-10分間の極めて短時間の一過性虚血において[^<14>C]-酢酸の虚血部位への取り込みが顕著に低下することを示した。Mn中毒モデルラットやLi-Pilocarpineてんかんモデルラットにおいて[^<14>C]-酢酸の取り込みが逆に著明に亢進することを示した。またこの[^<14>C]-酢酸の取り込み過程においてNMDA受容体が関与していることを明らかにした。 一方、脳への取り込みを増加させるために、種々の[^<14>C]-酢酸のエステル誘導体を標識合成し、グリア細胞の代謝マーカーとしての有用性について評価した結果、[^<14>C]-Benzylacetate(BA)は脳への取り込みが[^<14>C]-酢酸の約22倍もの高値を示し、かつ投与1分後において95%以上が加水分解を受け、脳内で[^<14>C]-酢酸に迅速に代謝転換されることが判明した。また[^<14>C]-BA投与10分後のラット脳における標識化合物をTLCにて分析した結果、総放射能の90%以上が[^<14>C]-glutamate、[^<14>C]-glutamineに代謝されていることが判明した。フルオロクエン酸によりグリア細胞のTCAサイクルを阻害したラット脳では、[^<14>C]-酢酸と同様に代謝阻害部位において80%以上の[^<14>C]-BAの取り込み低下を認めたことから、[^<14>C]-BAはラット脳のグリア代謝を測定するRIプローブとして極めて有用であることが判明した。現在、[^<11>C]-酢酸を用いて種々のエステル誘導体の標識合成を行い動物用PETを用いて脳内動態の計測を実施している。
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