研究課題/領域番号 |
16390348
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
石渡 喜一 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (50143037)
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研究分担者 |
石井 賢二 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (10231135)
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 講師 (00228090)
三品 雅洋 日本医科大学, 医学部, 助手 (70322518)
木村 裕一 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (60205002)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | アデノシン受容体 / PET / [^<11>C]MPDX / [^<11>C]TMSX / 脳 / 心筋 / 骨格筋 / アルツハイマー病 / パーキンソン病 / てんかん / 加齢 / P糖タンパク質 |
研究概要 |
PETによりアデノシン受容体を計測するために、我々は独自にアデノシンA_1及びA_<2A>受容体リガンドとして[^<11>C]MPDX及び[^<11>C]TMSXを開発した。本課題では、脳、心筋及び骨格筋の受容体を、健常者や神経変性疾患を対象としてPET計測し、新たなPET診断法を提案することを目指した。主要な結果は以下の通りである。 1.健常者を対象に[^<11>C]MPDX-及び[^<11>C]TMSX-PETを施行し、3コンパートモデル及びローガンプロット法により、それぞれ目的の脳受容体サブタイプを測定できることを明らかにした。加齢に伴いA_1受容体結合能は脳全般に低下するが、A_<2A>受容体結合能は維持されることがわかった。 2.[^<11>C]MPDX-及び[^<11>C]TMSX-PETのデータ解析に無採血定量解析法を導入することに成功し、被験者への検査の負担を軽減したことで、以下の発展的な研究を展開した。 3.[^<11>C]MPDX-PETにより、アルツハイマー病では糖代謝の低下部位でA1受容体結合能は低下し、てんかんでは焦点で結合能が低下するが、遠隔部位でむしろ亢進することがわかった。 4.[^<11>C]TMSX-PETにより、未治療のパーキンソン病ではドパミンD_2受容体結合能が増加する障害の強い被核で、A_<2A>受容体結合能が低下していることが明らかになった。薬物治療後には、そのまま低下した症例と元に戻る症例とが認められた。 5.動物モデルで[^<11>C]TMSXにより心筋及び骨格筋のA_<2A>受容体を評価できることを確認した後、健常者で[^<11>C]TMSX-PETによる心筋及び骨格筋のA_<2A>受容体を計測した。更に、持久的運動経験者(アスリート)では心筋のA_<2A>受容体の結合能が有意に増加していることが明らかになった。 今後、本課題で開発された[^<11>C]MPDX-及び[^<11>C]TMSX-PET診断法は、神経変性疾患や精神疾患の病態解明の新しいツールとなりうることが明になり、また運動生理学的研究への応用も期待される。心疾患への応用は今後の課題である。
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