研究課題/領域番号 |
16390355
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北山 丈二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20251308)
|
研究分担者 |
名川 弘一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80228064)
釣田 義一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80345206)
武井 芳樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10372369)
矢富 裕 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60200523)
甲斐崎 祥一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70291325)
石神 浩徳 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80372382)
須並 英二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70345205)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2006年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
キーワード | LPA / transactivation / Autotaxin / LysoPLD / colon cancer / 肥満細胞 / S1P / SIP / 大腸癌 / EGFR / C-Met / 胃癌 / COX-2 / VEGF / 浸潤 / 乳癌 |
研究概要 |
1.大腸癌細胞DLD-1において、Lysophosphatidic acid (LPA)は、EGFRのtransactivationを誘導し、遊走、IL-8,VEGFなどの血管新生因子の産生を刺激した。EGFRのリン酸化は、EGFRの特異的Inhibitor(AZ1478)、マトリックス分解酵素阻害剤GM6001で完全に抑制された。一方、これらの薬剤処理にて、遊走、IL-8産生も有意に抑制されたが、抑制率はともに30%程度であった。DLD-1におけるLPAの作用は、部分的にEGFRのtransactivationに依存している事が判明した。 2.胃癌、大腸癌切除標本における免疫染色法にて、ATX/LysoPLDのタンパク発現を検討すると、粘膜下層の比較的大型の浸潤細胞が強く発現していることが観察された。連続切片、および二重染色法にて、この細胞はTrypatase、Chymaseも発現しており、組織中の肥満細胞であることが判明した。Western Blotting法にて、胃粘膜組織より分離したCD117陽性細胞のlysate中には、有意なATX/LysoPLDの発現を認めたが、CD117陰性細胞群のlysateには明らかな発現は認めなかった。CD117陽性細胞を24時間培養した後の上清中にも有意なATX/LysoPLDの発現を認めた。以上より、粘膜下肥満細胞は、ヒト消化管組織におけるATX/LysoPLDの供給細胞である事が判明した。LPAは免疫細胞に対して多彩な制御作用を有すること、消化管上皮細胞の増殖、遊走を強く促進する作用を有していることを考慮すると、この粘膜下肥満細胞は恒常的にATX/LysoPLDを産生し、粘膜組織における多量のLPAを供給することによって、消化管における粘膜防御機構および粘膜障害時の治癒機転などに重要な役割を果たしていることが推測された。 3.Sphingosine-1-phosphate(S1P)は、単球由来細胞U937細胞の血管内皮細胞への接着を有意に抑制した。この接着阻害効果は、S1P-1,S1P-3の阻害剤、Integrin α5β1,αvβ3に対する阻害抗体にて、抑制された。この結果から、SIPはこれらの分子を介して、血管の透過性の維持に関与していることが推測された。
|