研究課題/領域番号 |
16390377
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 誠二 京都大学, 医学研究科, 講師 (00303834)
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研究分担者 |
蔦原 康行 (嶌原 康行) 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
岸本 通雅 京都工芸繊維大学, 工芸学研究科, 教授 (00144436)
福島 雅典 京都大学, 医学研究科, 教授 (80107820)
松井 茂之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80305854)
長谷川 傑 Kyoto University, Graduate School of Medicine, Lecturer (10362500)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2004年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / β-カテニン / マイクロアレイ / TaqMan PCR / LOH / 再発 / SIAH1 / PEG10 / 定量的RT-PCR |
研究概要 |
成果1:肝癌臨床検体を用いてヘテロ接合性の消失(LOH)の検討を行うと、16q12に高頻度で発現低下のみられるSIAH1遺伝子が同定され、この遺伝子の発現低下が肝癌の進行度に関わることを報告した。また肝癌臨床検体や肝癌細胞株におけるSIAH1の発現を調べると低下していた。SIAH1はβ-カテニンを非リン酸化により分解してWnt signal伝達系を抑制する。SIAH1遺伝子の発現が低い肝癌細胞株にSIAH1遺伝子を過剰発現させたとき、Wnt signa1伝達系や細胞増殖に及ぼす影響を調べた。するとβ-カテニンの蓄積の有無に関わらず細胞増殖の抑制とアポトーシス誘導がみられた。SIAH1はβ-カテニン以外にも他の蛋白と作用することが知られており、その一つであるPEG10は細胞増殖を促進させる。PEG10の発現が高い肝癌細胞株にSIAH1遺伝子導入すると発現量は減少した。SIAH1はさまざまな機序で肝癌細胞株に細胞増殖抑制やアポトーシス誘導をすることがわかった。 成果2:肝癌臨床検体のマイクロアレイ解析により肝癌の分化度、脈管侵襲に関わる遣伝子群を既に同定している。マイクロアレイで選抜された肝癌関連候補遺伝子と既知の肝癌関連遺伝子の計149遣伝子を解析対象とし、47切除症例を対象症例としてTaqMan PCR法による2次スクリーニングを行い、さらに術後早期の肝内再発予測モデルを構築した。再発の有無に相関する27遣伝子を同定し、これら遺伝子は再発症例で発現が亢進している傾向を示した。15遺伝子からなる肝癌術後再発の予測モデルを構築し、残る22症例での評価は感度75.0%、特異度72.7%の精度で再発の有無を予測可能であった。今後より高精度な予測モデルを構築して個別化治療に役立てるとともに、これら遣伝子の機能解析を行い、肝癌の新規分子標的治療法の開発につなげたい。
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