研究課題/領域番号 |
16390429
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 恒夫 東京大学, 医科学研究所・寄付研究部門(客員教授) (50291307)
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研究分担者 |
長村 登紀子 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90332585)
渡辺 信和 東京大学, 医科学研究所, 産学連携研究員 (10334278)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 胎盤 / 臍帯血 / 間葉系細胞 / 分化能 / 再生医療 / 骨・軟骨 / 免疫寛容 / 細胞バンク / 移植 / 幹葉系細胞 / クローン |
研究概要 |
我々は当研究室に構築した臍帯血バンクシステムを利用して、医療廃棄物として処理されている胎盤と臍帯血が再生医療における細胞供給源となりうるか、その可能性に関して研究を進めてきた。胎盤の胎児側、母体側それぞれから組織切片を採取、explant法で単離した線維化細胞様細胞をそれぞれ100%胎児由来、100%母体由来であることを確認した。臍帯血バンクにはHLAを含む胎児側の情報が蓄績されているので、我々は胎盤の中の絨毛組織に着目してきた。胎盤絨毛から得られた細胞はDMEM+10%FBSで培養増殖、得られた細胞の表面マーカーは骨髄間葉系細胞と同じ様に、CD44、CD90、CD73、CD1O5、HLA-classIを発現し、CD34、CD31,CD45,TIE-II, HLA-classIIは発現していなかった。骨細胞誘導培地で誘導後胎盤絨毛由来細胞は骨細胞への分化が確認された。軟骨細胞への分化に関しては軟骨細胞誘導培地でペレット法を用いたが、誘導後3週目のペレットは大きさと透明感が増加し、トルイジンブル-染色、及びII型コラーゲン免疫染色は陽性があった。また、脂臍細胞、神経様細胞への分化能も確認された。In vivoで、支持体であるコラーゲンスポンジ上で2週間誘導培養した胎盤由来間葉系細胞をヌ-ドマウスの皮下に移植、4週間後には軟骨状の組織が形成された。また、ヌ-ドラットの膝骨軟骨欠損に移植したところ、6週間後には欠損部位が軟骨様な組織を形成され欠損部位修復された。一方、細胞の寿命を延長させる目的で、lenti virusに組込んだBmi-1およびTelomerase遺伝子を細胞に導入した。この寿命延長させた胎盤絨毛由来間葉系細胞は骨、軟骨、脂臍細胞への多分化能を維持していることを確認された。また、我々はこれまで難しかった臍帯血由来間葉系細胞の分離法を確立し、その分化能を調べた。臍帯血の容量>60ml、採集後から分離までの時間が5時間以内の臍帯血において、間葉系細胞の回収率約70%得られた。臍帯血由来間葉系細胞は骨、軟骨には分化しやすいが脂臍には分化しにくい傾向がみられた。動物モデル実験において、骨、軟骨の形成も確認された。以上のように、胎盤と臍帯血は再生医療のソースとして有用性であると考えられる。
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