研究課題/領域番号 |
16390448
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
島田 康弘 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50028669)
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研究分担者 |
石川 直久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80109321)
西脇 公俊 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10189326)
佐藤 光晴 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10235343)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | ARDS / 神経原性肺水腫 / 血管透過性 / 血管新生 / 内皮細胞増殖 / neuropeptide Y / NPY Y_3-受容体 / Abelson tyrosine Kinase / NPY Ya-受容体 / Abelson tyrosine kinase / ニューロペプタイドY / 大動脈内皮細胞 / 低酸素暴露 / 肺水腫 / 血管内皮細胞 / 細胞増殖 / 低酸素状態 / Ab1 / actin polymeration |
研究概要 |
呼吸窮迫症候群(ARDS)をはじめとする肺水腫が関与する疾患では、肺血管透過性亢進が生じておりその発生機序の解明は診断治療に重要である。従来、交感神経系が中枢性肺水腫発生に強く作用することから、その神経伝達物質の血管透過性に及ぼす作用について検討してきたが、唯一neuropeptide Y (NPY)が透過性亢進を引き起こすことをこの研究グループが明らかにしてきた。本研究ではNPYと血管透過性亢進の関係をより明らかにした。 1)Abelson tyrosine kinase (Abl)と血管透過性 Ablは低酸素条件でactin polymerizationの活性化と核内における蛋白合成すなわち転写促進と関係する重要な蛋白燐酸化酵素である。Ablの非特異的阻害薬がNPYによる血管透過性を抑制した。 2)NPYと細胞増殖 NPYの血管内皮細胞増殖作用が血管透過性亢進と密接に関与しているとの報告がなされている。NPYが高濃度領域では、ハイポキシアで増殖作用が強く、正常酸素濃度では増殖増強作用がほとんど見られなかった。低濃度領域ではいずれの場合も増殖作用を示した。透過性亢進作用と同様に、NPYはG-蛋白を介するphospholipase Cの活性化によるprotein kinase Cおよびカルモジュリン依存性蛋白燐酸化酵素の賦活化によって増殖増強作用を生じることが示された。 3)NPY Y_3受容体のクローニング 血管内皮細胞の低酸素状態においてNPYの特異的な増殖増強作用は、透過性亢進と同様NPY Y_3受容体を介するものである。しかしながら、この受容体サブタイプは現在までNPYの受容体サブタイプのうち遺伝子配列がまだ分かっていない唯一の受容体である。Y_3受容体ではY_2受容体が変形している可能性があるように考えられた。
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