研究課題/領域番号 |
16390450
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒井 俊之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80175950)
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研究分担者 |
遠藤 伸之 財団法人若狭湾エネルギー研究センター, 研究部, 研究員 (30359244)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
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キーワード | 虚血再灌流傷害 / 一重項酸素 / 6-ホルミルプテリン / 光動力学的効果 / ラット肝細胞 / 膵臓癌細胞株 / 白血病細胞株 / ヒト樹状細胞 / NAC / GSH / ヒスチジン / ヒトT細胞 |
研究概要 |
虚血再灌流傷害における一重項酸素の生成とその制御による組織傷害の緩和を検討するため、以下の研究を行った。 1.基礎実験としての試薬系における一重項酸素の発生と消去 プテリン誘導体である6-ホルミルプテリン(6FP)の水溶液に蛍光灯照射を行って一重項酸素が発生することを電子スピン共鳴法を用いて確認した。この一重項酸素はNAC、GSHならびにヒスチジンの添加により消滅した。 2.ラット肝細胞に一重項酸素を産生させた場合の細胞傷害と薬物によるその緩和 ラット肝細胞を採取培養し、これに6FPを取り込ませ、蛍光灯照射を行った。結果、24時間の蛍光灯照射により肝細胞に一重項酸素が発生し、細胞傷害が生じた。NACとGSHは細胞傷害を緩和したが、ヒスチジンは無効であった。 3.ラット肝細胞にTNF-αを負荷した場合の細胞傷害と薬物によるその緩和 ラット肝細胞を採取培養し、これにTNF-αとactinomycin Dを負荷することで細胞傷害を生じせしめた。この時、プテリン誘導体である6-ホルミルプテリン(6FP)で肝細胞を前処理しておくと、細胞傷害が緩和された。 4.6FP誘導体を用いた膵臓癌細胞株に対する光動力学的効果 6FPをUV-A照射した場合に大量の一重項酸素が発生することを利用して、細胞死を起こしにくい膵臓癌細胞株Panc1を死滅させる方法を開発した。6FPそのものはPanc1に取り込まれなかったが、細胞内に取り込まれる誘導体を合成し使用したところ、UV-A照射により細胞死が惹起できた。 5.6FPは白血病細胞株に対する熱誘発性アポトーシス増強効果 白血病細胞株U937を44℃の熱に曝してアポトーシスを誘発したところ、6FPはこの効果を増強した。 6.ヒト樹状細胞におけるLPS刺激時の細胞内ROS産生ならびにRedoxの変化と成熟化への影響 ヒト樹状細胞をLPS刺激した場合、細胞内ROS産生とRedoxの変化が生じた。そしてこのROS産生は樹状細胞の成熟化のうち、サイトカイン産生のみに関与し、Redoxの変化は表面マーカーの発現やT細胞増殖刺激能にも関与した。
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