研究課題/領域番号 |
16390461
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
|
研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 助教授 (90159335)
塩山 力也 福井大学, 医学部, 助手 (60345676)
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
中井 正治 福井大学, 医学部, 助手 (50372496)
青木 芳隆 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (30273006)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
|
キーワード | 過活動膀胱 / 尿失禁 / 遺伝子 / 脳梗塞 / COX-2 / プロスタグランジン / PGES / 脳幹部橋 / 脳血管障害 / 蓄尿障害 / RNA干渉 / 橋 |
研究概要 |
脳血管障害に伴い生ずる過活動膀胱には尿失禁遺伝子の発現が示唆さる。これらの遺伝子は正常状態ではサイレントであるが、脳梗塞になるとその1〜12時間後に発現し、脳幹部橋において新しい神経回路を形成して排尿反射を亢進させる。その発現は一時的であり、数時間後再びサイレントになる特徴がある。その候補遺伝子にはcycloxygenase-2(COX-2)、その下流にあるprostaglandin E synthase(PGES)が挙げられる。本研究では、中枢性頻尿モデル(脳梗塞ラット・マウス)を用いて橋背外側被蓋におけるCOX-2、PGES/PGDSの定量的解析を行い、さらにPGE2の脳局所microinjectionによる排尿反射への影響について検討した。COX-2の尿失禁遺伝子としての可能性を最終的に証明するためにはCOX-2 KO mouseを使った検討が必要である。そこでwild type mouseに脳梗塞を作成し、覚醒下での尿流動態検査を施行して、排尿反射の亢進の有無について検討した。 1)PGESは脳梗塞作成5時間後にピークに達し、24時間後にも有意な発現量の増加が認められた。PGDS発現量も脳梗塞作成後0時間、1時間、3時間、5時間、12時間、24時間後のいずれにおいても、偽手術群との間に有意な差が認められた。 2)PGE2脳室内投与により膀胱容量の増加が認められた。 3)PGE2橋背外側被蓋投与によりは膀胱容量の増加が認められた。 4)PGE2中脳灰白質投与により膀胱容量は平均35%の減少が認められた。この減少効果はEP1受容体遮断剤により拮抗された。 5)C57-BL/6Jマウス脳梗塞後の膀胱容量は有意な減少が認められた。脳梗塞後には海馬とDPTにおけるCOX-2/PGESの発現が亢進しているのが観察された。 以上より、脳梗塞後橋背外側被蓋におけるCOX-2/PGES発現、EP1受容体を介するPGE2の局所作用により排尿反射の亢進が生じるものと推測された。
|