研究課題/領域番号 |
16390488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50335270)
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研究分担者 |
喜多 知子 独立行政法人理化学研究所, 発生・再生科学総合研究センター・感覚器官発生研究チーム, 訪問研究員 (20362519)
船曳 和雄 財団法人大阪バイオサイエンス, システムズ生物学部門, 研究員 (00301234)
安里 亮 京都大学, 医学研究科, 助手 (70283603)
藤野 清大 京都大学, 医学研究科, 助手 (50359832)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 細胞移植 / 遺伝子治療 / 内耳 / 神経栄養因子 / 骨髄由来間葉系細胞 / ラセン靱帯 / 再生医療 / 感音難聴 / 骨髄由来細胞 |
研究概要 |
感音難聴の病態には、遺伝子異常が深く関与することが知られている。本研究では、感音難聴に対する新しい治療法を開発することを目的とし、体外で非ウイルスベクターを用いて細胞に遺伝子導入を行い、この遺伝子改変細胞を内耳に移植することにより、内耳障害治療に必要な物質を内耳に供給するための技術開発を行った。第一に、移植細胞の選択、遺伝子導入方法、遺伝子導入細胞の選択培養の有効性など本研究の基盤となる研究を行い、マウス線維芽細胞および骨髄由来間葉系細胞を移植細胞とし、リポフェクション法を遺伝子導入方法とし、抗生剤耐性遺伝子の導入による選択培養を用いることとした。マウス線維芽細胞に脳由来神経栄養因子(BDNF)をコードする遺伝子を導入し、選択培養した。培養系で、遺伝子導入の有効性、BDNFタンパク分泌能力を検証した。次に、BDNF遺伝子導入細胞をマウス内耳に移植し、細胞の生存、局在を組織学的、分子生物学的に確認し、細胞移植により有意に内耳におけるBDNF発現が増加していることを確認した。以上の結果は、体外で目的とする遺伝子導入し、内耳に細胞移植することにより、目的とする遺伝子およびその産物を内耳に供給することが可能であることを示すものである。次に、内耳構造タンパクを細胞移植により再生することを目的として、その基盤技術の開発を行った。内耳の目的とする部位に細胞を選択的に送達させる目的に、移植細胞の遊走能を活用することを考え、骨髄由来間葉系細胞の内耳移植実験を行った。内耳に移植された骨髄由来間葉系細胞は蝸牛組織内、とくにラセン靱帯に侵入する能力が高いことが組織学的に示された。したがって、ラセン靱帯に存在する聴覚機能に不可欠なタンパク、例えばコネキシンなどを今回開発した方法にて再生し、聴覚再生を誘導できる可能性が示された。
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