研究課題/領域番号 |
16390489
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 教授 (00108383)
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研究分担者 |
羽藤 直人 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60284410)
篠森 裕介 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60335908)
白馬 伸洋 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70304623)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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キーワード | 虚血性内耳障害 / アポトーシス関連タンパク / コネキシン26 / グルタミン酸トランスポータ / ジンセノサイドRb1 / プロサポシン / 突発性難聴 / 骨髄幹細胞 / 内耳虚血 / 血管条病変 / NO / 活性化酸素 / 細胞移植 / GDNF / 急性難聴 / therapeutic time window / 血管条 / ラセン神経節 / 有毛細胞脱落 / アポトーシス / 細胞治療 |
研究概要 |
本研究では長期生存可能な動物実験モデル(スナネズミ)を用いて、一過性内耳虚血で惹起される内耳障害のメカニズムを探求するとともに、その治療法を検討した。その結果、一過性内耳虚血による障害は基底回転ほど高度であり、組織別では(1)ラセン神経節細胞数は徐々に減少、7日目には虚血前の71%になった。アポトーシス関連タンパクであるBaxの発現は1日目に強く、その後は徐々に減弱した。(2)血管条の変化はconnexin26免疫染色法により検討した。虚血直後、染色性は低下したが、4日目に若干回復、7日目にはほぼ元に復した。(3)コルチ器の障害は主にグルタミン酸の関与について検討した。Glutamate transporter knock-outマウスを用いて月齢とコルチ器障害との関係を検討したところ、加齢により内・外有毛細胞ともに障害が強く表れ、グルタミン酸の代謝が聴覚に影響することが示された。以上より、一過性虚血によって内耳にアポトーシスが誘導されることから、治療にはアポトーシスへの対応が必要なことが示唆された。 治療に関しては、(1)ジンセノセイドRb1を虚血後に投与すると、コルチ器だけでなくラセン神経節細胞の障害も回避できる。(2)プロサポシンは元来、ライソゾーム内に限局して存在しているが、外部から投与したプロサポシンは虚血性障害を防御する、ことが明らかとなった。幹細胞移植の研究では、大腿骨より骨髄幹細胞を採取し鼓室階に注入、その後、虚血を負荷した。その結果、非注入側ではABR閾値30-50dB上昇したが、幹細胞注入側では10-20dBと軽微であり、幹細胞注入が内耳障害を防御することが示された。有毛細胞の脱落も非注入側が25%であるのに対し、注入側は8%と著明に少なく、注入した幹細胞が障害細胞と置き換わるのではなく、GDNFを分泌することで効果を表しているものと考えられた。
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