研究課題/領域番号 |
16390501
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70191963)
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研究分担者 |
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (60273447)
山田 潔 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (60347416)
倉知 豪 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (80405159)
西脇 晶子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50285219)
水野 史門 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80363943)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2004年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 白血球 / インスリン / 網膜光凝固 / 黄斑浮腫 / トリアムシノロン / トリアムシノロンアセトニド / 汎網膜光凝固 / アクリジンオレンジ / 網膜微小循環 / 網膜血管内皮 / 接着阻害 / ICAM-1 / PKC阻害剤 |
研究概要 |
ヒト網膜血管内皮細胞(HREC)を用いてインスリンによる好中球接着および接着分子の発現作用の有無を検討した。HRECをインスリンを含むおよび含まない培地で培養し、好中球もしくは抗接着分子抗体を加えた。HRECに対する好中球の接着率は培地のみでは14.1±0.2%、インスリン50μU/mlでは15.6±0.4%(P<0.05)、100μU/mlでは17.0±0.2%(P<0.001)とインスリンにより有意に増加した。接着分子は100μU/mlのインスリンによりICAM-1の発現がコントロールに比べ有意に亢進した(0.242±0.008,コントロール0.198±0.012;P<0.05)。VCAM-1、P-セレクチンおよびE-セレクチンでは有意差がみられなかった。インスリンにより白血球-網膜血管内皮細胞の接着およびICAM-1の発現が亢進した。網膜に捕捉された白血球は、急激なインスリン療法後の糖尿病網膜症の早期悪化に関与している可能性がある。 網膜光凝固後の黄斑浮腫に対するトリアムシノロンの治療効果の機序を解明する目的で、ラットを用いて実験を行った。ラット網膜にレーザーにより半周に網膜光凝固を行い、治療直後にトリアムシノロンをテノン嚢下に2mg投与した。対照群として生理食塩水を同様にレーザー治療直後にテノン嚢下に投与した。その後アクリジンオレンジを用いて、網膜微小循環における白血球動態を経時的に観察した。また、光干渉断層計を用いて、網膜浮腫を定量評価した。対照群では光凝固後に白血球ローリングおよび網膜内白血球集積が有意に増加したが、トリアムシノロンの投与はそれらの白血球異常を有意に抑制した。また、対照群では光凝固後1日、3日で光干渉断層計による網膜厚が有意に増加し、光凝固による浮腫が推察された。しかし、トリアムシノロンの投与はこの網膜浮腫も有意に抑制した。この結果より、トリアムシノロンは網膜微小循環での白血球の接着を抑制することにより、網膜光凝固後の黄斑浮腫を改善するものと推察された。
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