配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
本研究では,セルフエッチングプライマーの加水分解安定性を検討した。すなわち,市販EDプライマーIIのLiquid Aプライマーを40℃恒温槽中に保管して変性させた後,^<13>CNMRスペクトルを測定して加水分解した2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の割合を算出した。その結果,プライマーの構成成分であるHEMAのエステル基が加水分解し,その副産物としてメタクリル酸,エチレングリコールが生成されることがわかった。 つぎに,Liquid Aプライマーの変質が象牙質に対するレジンの接着強さおよび樹脂含浸層形成に及ぼす影響を検討した。その結果,レジンの接着強さはHEMAの加水分解の進行に伴い低下した。とくに,サーマルサイクルを施すことにより,HEMAの加水分解の程度を反映して大きな接着強さの低下が認められた。これは,レジン/象牙質接着界面に生成された樹脂含浸層の質がHEMAの加水分解の進行,すなわち副生成物の生成量の増加に伴い低下したためと考えられた。 さらに,加水分解安定性の高いセルフエッチングプライマーを開発するため,10-メタクリロキシデシルポスフェート(MDP),2-メタクリロキシエチルポスフェート(MEP)または3-メタクリロキシアミノエチルポスホネート(NMEP)をメタクリロイルグリシン(NMGly)水溶液中に添加してMDP-NMGly, MEP-NMGly,およびNMEP-NMGlyプライマー水溶液を調製し,これら接着性モノマーの加水分解安定性を検討した。その結果,NMEPおよびNMGlyの加水分解は14週経過しても認められなかった。しかし,酸性モノマーであるMDPおよびMEPのメタクリロイルエステル基が加水分解し,変性することが明らかとなり,NMEP-NMGlyプライマーは加水分解安定性の優れたセルフエッチングプライマーであることがわかった。
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