研究課題/領域番号 |
16390599
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
松本 剛一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60199867)
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研究分担者 |
李 宇錫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90288085)
大見 寧 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10318892)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | siRNA / VEGF / SCC / Gene Therapy / angiogenesis / RNA干渉 / angiopoietin-1 / tumor angiogenesis / RNAi |
研究概要 |
VEGFを標的とした血管新生阻害は癌治療として期待されている。そこで我々は、VEGFを標的としたRNA干渉法による扁平上皮癌の遺伝子治療の検討を行った。マウスVEGF mRNAに相補的なオリゴDNAを合成後、ステムループ型siRNA発現ベクターに挿入してsiVEGFプラスミドベクターを構築した。10、20および40μgのsiVEGFプラスミド溶液を、遺伝子導入用のカチオン化ゼラチンと混合し複合体を調整し、この複合体を5日毎に4回、腫瘍(マウス扁平上皮癌NRS-1細胞)局所に投与した。投与されたsiVEGFプラスミドDNAは、10日後も腫瘍局所に存在しており、カチオン化ゼラチンによる徐放効果が確認された。siVEGF群は対照群(カチオン化ゼラチン/siEGFPプラスミド複合体投与群)に比べ有意な腫瘍増殖の抑制効果が認められ、その効果はプラスミドDNAの濃度に依存的であった。抗CD31抗体による免疫組織染色を行い腫瘍局所の血管数調べたところ、siVEGF群では対照群に比べ有意に血管数の減少を認めた。また抗α-SMA抗体による免疫組織染色を行ったところ対照群ではα-SMA陰性の未熟な血管が多かったのに対し、siVEGF群ではα-SMA陽性の成熟した血管が多く認められたことから、siVEGFは未熟な腫瘍血管を標的としている可能性が示唆された。血管の成熟に関与していると考えられているangiopoietin-1(Ang-1)の発現を免疫組織学的に観察したところ、siVEGF群において、α-SMA陽性の血管内皮細胞にAng-1の発現が認められたことから、VEGFは腫瘍血管におけるAng-1の発現を負に抑制している可能性が示唆された。 以上、カチオン化ゼラチンを用いたVEGFRNA干渉は扁平上皮癌に対する有効な遣伝子治療になる可能性が示唆された。
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