研究課題/領域番号 |
16390631
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
菱沼 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40103585)
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研究分担者 |
山崎 好美 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (60384666)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 看護学 / 温罨法 / 便秘 / 臨床実験研究 / 腰部 / 湿熱 / 健常女性 / 実験研究 / 下痢 / 整腸作用 / 自律神経活動 / 腰背部熱布罨法 / 体位 / 自律神経 / 事例研究 / 皮膚温 |
研究概要 |
本研究の目的は、熱布による腰背部温罨法が、自律神経刺激を介して腸の運動を整え、日常生活行動上の排便・排ガスにおける困難の解消に有効であり、かつ気持ちよさをもたらす看護技術であることを明らかにすることである。 脳血管障害による寝たきりの患者7例で、4週間のコントロール期間の後、60℃の熱布10分間の腰部への罨法を4週間継続した。浣腸や摘便による排便が日常的になっていたところが、罨法により4名で排便状況の改善を認めた。コントロール、罨法、コントロールを繰り返した1事例でも、罨法中の便秘の自覚症状が有意に低下していた。便秘の自覚がある女性でコントロール4週間の後、40℃5時間の罨法(30名)と60℃10分の罨法(29名)を4週間実施して比較したところ、罨法により有意に排便回数が増え、便秘の自覚症状に減少が認められた。特に40℃で顕著な効果があったが、下剤の服用日数が、60℃群のみ有意に減少していた。 看護現場ではさまざまな罨法材料が用いられているが、熱布をビニール袋に包んで90分貼用する方法について調査したところ、タオルの温度は49.8℃から始まり、皮膚温は20分後に3.1℃上昇、90分後でも開始前より1.8℃上昇していた(n=11)。 以上の結果から、40℃長時間でも、60℃10分でも腰部温罨法は便秘の症状改善に有効であることが明らかになった。薬剤や浣腸・摘便といった不自然な方法でなく、苦痛なく排便を促進できる看護技術として、腰部温罨法の臨床適用を進めるには、罨法の温度と面積、時間をより明確にすることがさらなる課題である。
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