研究課題/領域番号 |
16390640
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
交野 好子 福井県立大学, 大学院看護福祉学研究科, 教授 (20172942)
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研究分担者 |
住本 和博 川崎市立看護短期大学, 教授 (30126817)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
大川 洋子 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (20194087)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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キーワード | 仮想現実 / 異常分娩 / 医療技術モデル / 三次元空間 / 教育教材 / 仮想現実(Virtual Reality) |
研究概要 |
本研究は3D(三次元)のVirtual Reality(仮想現実)の手法を用いて異常分娩経過の母体内現象をイメージ化した知識の獲得と吸引分娩・鉗子分娩・骨盤位分娩・帝王切開術などの医療技術の習得に向けた教育教材の開発とその学習効果について明らかにすることである。 平成16年度は分娩難易度の高いモデルと医療技術モデルの制作に必要なデータベースの作成、3Dの表現方法の検討、分娩難易度の指標の検討とシミュレーションの初期段階の制作を行った。まず、モデルについては異常分娩モデルが産道通過異常(回旋異常・不正軸進入)、骨盤異常(狭骨盤・男性型骨盤・扁平仙骨・類人猿型骨盤)、双胎分娩、胎盤異常(前置胎盤・胎盤早期剥離)、子宮異常(子宮収縮輪・子宮破裂)と決定した。また、医療技術モデルは、吸引分娩、鉗子分娩、骨盤位牽出術(古典的・横8文字牽出術)、胎盤用手剥離、帝王切開術、会陰縫合術とした。これらモデルの表現方法は、3D、アニメーション、立体視カメラ画像の3種類を用い、ソフトウエア化するためにコンピューター入力を行った。 平成17年度は制作した全てのモデルをDVDとして制作し、繰り返し検証作業を行い、画像の修正・追加を行った。また、各モデル画像構成を決定し、各画像の事象について詳細説明テキストを入力した。 平成18年度は制作した教育教材による異常分娩経過の母体内現象のイメージ化と医療技術の理解、ならびに学習効果や活用性について質問紙調査を行った。さらに、医師による患者へのインフォームドコンセントへの有用性について検討した。回答者は学生(医学生・助産学生・看護学生の計149名)、医師(研修医を含む計44名)である。調査方法は、DVDを視聴し、質問紙に回答してもらった。さらに、医師によるインフォームドコンセントなど臨床への応用効果についても説明のしやすさなどを評価してもらった。 学生・医師共に本教材の教育教材の有用性や利便性は概ね高い評価を得た。また、各モデルのイメージ化のしやすさは、学生と医師で比較すると学習経験や臨床経験などの背景の違いによってその評価が異なっていた。 つまり、学習の進度や臨床経験による評価に差はあるものの、VR画像による母体内現象がイメージし易くなり、知識獲得に有効な教材であることが明らかとなった。また、医師による評価は臨床経験が少ない鉗子分娩や骨盤位分娩などの医療技術モデル、ならびに三次元で表現したモデルに対して高い評価を得た。このことは、三次元による母体内現象が理解できる教育教材への期待が高いことが考えられる。さらに、本教育教材は臨床での患者や家族には説明しやすいという回答を得た。以上のことから、本教育教材は臨床経験が制限される教育環境において今後の教育・臨床に寄与できる教材であることが示唆された。
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