研究課題/領域番号 |
16390655
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
村井 貞子 東邦大学, 医学部, 教授 (20057623)
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研究分担者 |
美ノ谷 新子 東邦大学, 医学部, 助教授 (20299986)
峯川 美弥子 東邦大学, 医学部, 助手 (90366500)
山口 綾子 東邦大学, 医学部, 助手 (10366502)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 訪問事業 / 易感染者 / 感染予防対策 / 感染予防教育 / 危機管理システム / 在宅医療 |
研究概要 |
本研究を行う最終の目的は高齢者や在宅療養をしている患者と家族及びそれに関わる職種が、感染に脅かされずに安心して生活やケアをする為に、感染に関する在宅危機管理システムを構築することを目的として、3点(1〜3)から研究を行なった。 1.在宅医療の感染に関する現状の把握:質問用紙を作成し、2004年に東京都の134訪問看護ステーション、2005年には東京都を除く全国の523訪問看護ステーション、2006年には344訪問介護事業所と1208訪問入浴介護事業所の各責任者から、感染症と診断された利用者の状況と感染リスク等についての回答を得た。結果は以下のようであった。(1)感染症をもつ利用者の存在と割合;感染症と診断された患者がいる事業所は訪問看護ステーションで約55%、訪問介護事業所で30%、訪問入浴事業所で60%であった。訪問看護ステーションの調査からは、肝炎、創傷部位の感染(褥創など)、肺炎、膀胱炎の利用者をケアしている事業所が多い事が示された。(2)米国CDC(Center for Disease Control and Prevention)の提唱しているStandard Precautionに基付く感染予防対策の実施状況;実施していると回答している施設は多いが、実施状況と感染症の患者の状況とは関連していなかった。(3)訪問従事者の健康管理;予防接種は訪問入浴事業を除くほぼ80%の事業所で勧奨をしており、特にインフルエンザはそのうちの約95%の事業所で勧奨されていた。 2.2002年にCDCが提唱した擦り込み式手指消毒薬の使用に関して、現状では必ずしも清潔を保障する使用法は示されておらず、確実な清潔を確保する為の効果的な使用方法を検討した。 3.行政の関与する米国の訪問医療では訪問従事者の感染予防教育が法律化されており、充実していた。 以上より、多くの人材の関わる訪問事業では感染経路は多岐にわたり、実際に感染症患者は多く存在していた。また、商業化した事業の現状では関連する人材に対する感染予防教育が充分ではなく、行政を初めとする組織的なシステムの必要性が示された。
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