研究課題/領域番号 |
16401003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鐸木 道剛 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (30135925)
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研究分担者 |
吉松 実花 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助手 (40346151)
木戸 雅子 共立女子大学, 国際文化学部, 教授 (10204934)
眞鍋 千絵 東北芸術工科大学, 芸術学部, 助教授 (10337222)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | イコン / セルビア / ポスト・ビザンティン / カンタクゼノス / クルチミール / バロック / ユダヤ美術 / ボジャニ / 国際研究者交流 / 美術史 / 中世史 / 壁画 / キリスト教 / ビザンティン帝国 / セルビア・モンテネグロ |
研究概要 |
4年を費やして聖ヨハネ修道院聖堂の壁画の保存修復作業が一応終わった。修道院には電気が引かれ、町からの道路が整備され、神父がひとり常住することとなった。16世紀初頭のセルビアのポストビザンティン美術の典型的な壁画であり、地域の文化財として、また観光資源としてヤシュニヤ修道院は注目され始めている。 修復が終わり、従来の上描きによって見えなくなっていた創建当初の壁画も見えるようになってきた。ナルテクスの壁画は、とくに近隣のクルチミールの昇天聖堂の1629年の年記のある壁画との比較が有用である。また聖ヨハネ修道院と同じくカンタクゼノス家の寄進になるヤシュニヤ(上)の聖母進堂修道院は、1499年の壁画はヤシュニヤ(下)の聖ヨハネ修道院聖堂の壁画よりもパレオロゴス朝美術の特徴を残すが、そこには18世紀の壁画もあり、そこにわずかにノアの方舟の絵画化がある。この時代、既に西欧のバロックの影響が及んでおり、同時代のギリシアのファネロメネ修道院(1735年)や、セルビアの北部ヴォイヴォディナのボジャニ修道院(1737年)の聖堂壁画に見られる旧約場面との比較が、ポストビザンティン美術の重要な側面を明らかにするものと思われる。旧約への関心はプロテスタンティズムに見られる特徴であり、カトリックに対抗しての旧約への回帰ではあるが、ロシアが16世紀以降、旧約化していくことも考え合わせると、近代のキリスト教について従来考えられなかった特徴が明らかになってくる可能性がある。キリスト教にとってのユダヤ教の意味は、常に確認されねばならないことなのであり、ポストビザンティンの研究が、そういう側面に考察を加えるものであることを確認できたことは大きな成果であった。
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