研究課題/領域番号 |
16401014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西秋 良宏 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
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研究分担者 |
吉田 邦夫 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (10272527)
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (80221852)
鹿島 薫 九州大学, 理学研究院, 准教授 (90192533)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,790千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 北メゾポタミア / 新石器時代 / 農耕牧畜 / 打製石器 / アナトリア / 女性土偶 / PPNB / 最古の土器 / メソポタミア / ハブール平原 / 黒曜石 / 日干し煉瓦 / 古環境 / 土器製作開始 / 年代測定 / 古気候 / テル・セクル・アル・アヘイマル |
研究概要 |
シリア東北部に所在するテル・セクル・アル・アヘイマル遺跡を発掘し、北メソポタミア平原における初期農耕民の起源と展開について研究した。当遺跡は当該地域で最古の農耕村落遺跡の一つであり、紀元前8千年紀後半における村落の出現、ならびに以後7千年紀前半にかけての村落の発展の諸様相を詳細に調べることができた。 主たる成果は以下のとおりである。(1)建築技術、打製石器製作術等は、最初期の住人はアナトリア方面との文化的類縁関係をもつ先土器新石器時代後期(PPNB)の集団であったことを示す。(2)当初よりムギ類ならびにヒツジ・ヤギを主たる対象とする農耕牧畜技術を保持していたが、同時にガゼルを中心とした狩猟も実施していた。(3)やがて土器を製作使用するようになる。50点を超える年代測定を実施した結果、土器出現年代を紀元前6900/6800年頃にしぼりこむことが出来た。(4)当遺跡発見の土器は、北メソポタミア最古の新種の土器であり、それを先プロト・ハッスーナ式と命名した。鉱物を胎土に混和して製作する点、各戸の保有数が僅少である点などから、最初期の土器の機能的側面につき示唆が得られた。(5)先土器から土器新石器時代にかけて儀礼、象徴活動に変化がみられる。その一つは女性土偶の増加である。当遺跡では北メソポタミア最古かつ最大級の写実女性土偶が得られ、当地の精神文化史、美術史に多大な貢献をなした。(6)遺跡近郊のハットニーエ湖でボーリング調査を実施したことにより、新石器時代の古気候復元が可能になった。それによれば、紀元前7千年紀には気候の湿潤化がおこったことが示唆された。これは、北メソポタミアのようなステップに集団が拡散する契機となった可能性がある。
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