研究課題/領域番号 |
16401018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
沼本 宏俊 国士館大学, 体育学部, 教授 (40198560)
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研究分担者 |
山田 重郎 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (30323223)
新井 勇治 愛知産業大学, 造形学部, 准教授 (20410855)
西山 伸一 サイバー大学, 世界遺産学部, 准教授 (50392551)
松本 健 国士館大学, イラク古代文化研究所, 教授 (00103672)
岡田 保良 国士館大学, イラク古代文化研究所, 教授 (70138171)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 考古学 / アッシリア / 粘土板文書 / 楔形文字 / シリア / テル・タバン / メソポタミア / 中期アッシリア時代 / 楔型文字 / タブレット / タビテ |
研究概要 |
本研究は、アッシリア帝国の西方進出の拠点として繁栄した古代王国"タビテ"、つまりシリア北東部にあるテル・タバン遺跡の発掘調査の成果を通して、未だ不明瞭なアッシリア帝国の全容解明への貢献を目的としている。 研究期間内にテル・タバンの発掘調査を三回実施した。注目すべき成果は、16年度の調査で王宮の文書保管庫を発掘し、中期アッシリア時代(前13-12世紀)の楔形文字が刻まれた大量(約500点)の粘土板文書を発見したことである。17、18年度の調査でも中期アッシリア時代と古バビロニア時代(前18世紀)の楔形文字資料(粘土板文書60点、円筒碑文片・煉瓦片等47点)を発見した。こうした楔形文字資料の発見は、メソポタミア地方での日本隊による50年に及ぶ発掘史で初めてのことで、特に16年度の大規模な粘土板文書群の発見は、国内外でセンセーショナルなニュースとして報道された。これらの文書群の解読を、研究分担者の山田と研究協力者の柴田が、現地にて行った。日本隊が発掘したこれほど大量の楔形文字資料が、日本人研究者の手によって本格的に解読された前例はなく、本邦初の考古学と文献学が共同した画期的な歴史考古学的調査であったことも特筆したい。 粘土板文書の解読も進んでおり、アッシリアの支配体制、勢力範囲、社会構造を解明するうえで、重要な新事実が数多く記述されていることが判明した。この学会待望の文書解読の最新情報を、既に国内外に提供しており、"暗黒時代"と呼ばれているアッシリアの帝国形成期"中期アッシリア"の全容解明に向けて大いに貢献している。欧米学会では本研究成果が高く評価され、テル・タバンの資料はアッシリア史解明の一端を担っているとし、今後の我々の更なる調査動向と研究成果に注目している。 研究期間内の成果は、当初、設定した研究目的を十分達成し、期待した以上の多大な研究成果を上げたと言える。
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