研究課題/領域番号 |
16401030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究科, 准教授 (60281549)
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研究分担者 |
田上 健一 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50284956)
小林 正史 北陸学院短期大学, 教授 (50225538)
入谷 貴夫 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30211759)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
11,090千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 文化人類学 / 砒素汚染 / 国際協力 / 地域研究 / バングラデシュ / ネパール / 地下水砒素汚染 / 慢性砒素中毒 / 集合行為 / 世帯経済 / カースト / 途上国 / 農村 / バングラディシュ / リスク認識 / ジェンダー空間 / 相互扶助 / 水利用 / 参加型調査法 / 意識と行動 / 集落構造 / 女性行動 |
研究概要 |
本研究は主な飲料水源である地下水が広範に汚染されているガンジス川流域で、バングラデシュとネパールの農村村落を対象にして、砒素被害軽減対策として建設された代替水源の運用・維持管理に関する文化的、社会的要因を参加型農村調査法(以下「PRA」)により明らかにすることを目的とした。 この研究で取り扱った項目は、砒素汚染地住民の砒素に関する知識、砒素の危険性に関する認識、代替水源の建設・維持管理への住民参加に関する文化的慣習、共同管理にかかわるソーシャル・キャピタルと呼ばれる社会的特性である。研究の結果、汚染地の住民は十分な砒素の関する知識を持っており、その危険性も認識していた。また、生活上の諸問題の中で、砒素問題の相対的位置づけも高いことが分かった。したがって、所によっては、砒素対策活動への住民参加が不活発であるのは、住民の認識上の問題ではなく、砒素対策を行う外部者の存在を前提とした、住民の戦略的判断である可能性を示唆している。このことは、外部からの介入が比較的少ないネパールの研究対象村落では、住民の自発的行動による一定の砒素対策が行われたことからも窺うことができた。 自律的活動の不活性の別な要因として、援助計画と現地の文化的慣習の齟齬があげられる。バングラデシュの農村部では水汲みの主体は女性であり、女性の行動はパルダ規範によって規制されている。分析例では、より多くの利用を促進するため、「便利な」公共の場所に水源施設が設置されたが、公共の場所は不特定多数の男性が常に行き来するため、農村の女性にとっては便利な場所ではなく、計画段階からの玄中住民の参加の重要性が改めて確認された。
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