研究課題/領域番号 |
16402014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
大津 定美 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (20081119)
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研究分担者 |
横田 高明 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (00240193)
田畑 理一 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60171873)
松野 周治 立命館大学, 経済学部, 教授 (10128457)
大西 広 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50176955)
坂田 幹男 福井県立大学, 経済学部, 教授 (90153890)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アジア経済統合 / 北東アジア / ロシア極東 / 中国東北地方 / 社会保障 / 雇用 / 国際労働移動 / 国境隣接地域 / 経済連携強化 / 地域社会開発 / WTO加盟 / ソーシャルネット / 外国人労働者問題 / 国境貿易 / 年金 / 医療改革 / 東北振興策 |
研究概要 |
本テーマの研究方法の主眼は、ロシア・中国の国境を接する地域の現場を尋ね、両国間の経済・貿易の実情を探り、国境を跨ぐ人の動きをつぶさに観察することにおかれた。 初年度は各自最も強い関心を持つ地域を訪問し、実情を探った。調査は極東ハバロフスク、中央アジアのキルギス、モスクワやサンクト・ペテルブルグ、そして中国の新彊などに及んだ、 第2年度は、メンバー全員が同時に同一現場を視察し、調査結果をまとめるという方法を意識的に追求した。まず中国のハルビン市を訪れ、当地の社会科学院やロシア研究センターを訪問し、研究者と意見交換をした。次に牡丹江市やスイフンガ市で行政や企業で対ロシア貿易に関連する聞き取りを行った。次に、実際に「シャトルトレード」に携わる中ロ両国人の間に身をおいて、列車で中ロ国境を越え、車中で同時に聞き取りも実施した。またロシア側では、対中接点の中核都市ウスリスク市、ウラジオストック市でも、行政や移民局・雇用局を尋ね、聞き取りを続けた。 第3年度は、費用節減のため、中国側の国境隣接地、特に前年にも一部訪問した、東寧市の互市貿易区の1年後の展開振りを視察、中ロ両国のアプローチの違いを目の当たりにした。その後、延辺自治区の開発特区(日本企業も含め)での実情、さらに大連市と始まったばかりの旅順口地区の新たな開発地域を重点的に視察した。 こうした徹底した現地視察をもとに得られた知見は多い。1)中ロ問の貿易・資本移動・人の流れが加速しており、中国のWTO加盟による一層の開放が進んでいるだけでなく、ロシアも新たな加盟を目前に、税関や移民政策などの面で様ざまな対応を行っていること、2)しかし雇用や社会保障の整備など住民生活改善の面ではなお多くの課題を残しており、中国黒龍江省やロシアの極東からはなお人々の流出続いていること、こうしたソーシャル・ネット構築の面での近隣諸国からの国際的な支援・協力の意義は大きいこと、3)他方、中国だけでなく、ロシアも石油などの資源産業中心にこのところ生産と輸出の増加が続いており、これらが北東アジアの経済成長を刺激しつつあること、などである。
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