研究課題/領域番号 |
16402024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高城 和義 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00085953)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アメリカ医療 / 医療思想革命 / 医師役割 / 患者役割 / インフォームド・コンセント / 医療社会学 / アメリカ / 現代アメリカ医療 |
研究概要 |
一九七〇年代のアメリカにおいて、古代ギリシャ以来続いてきた医療思想に、革命的変化が起こった。医師の専権体制とパターナリズムとが疑問視され、ともすれば医師の操作の客体とみなされてきた患者の、「自己決定権」が主張され、インフォームド・コンセントが不可欠とされるにいたったからである。本研究は、医療思想革命によって、医師役割・患者役割にどのような変化が起こったのかを、実態調査によって明らかにしようとするものであった。 そのため本研究では、アメリカの状況について文献資料の解析と実態調査とを行うとともに、イギリスとドイツの状況との実態調査とを比較しつつ、アメリカ的特質を浮き彫りにしようとしてきた。その結果、(1)現代アメリカにおける医師役割・患者役割は、イギリスやドイツと比較しても、最も劇的な変化であること、(2)しかもアメリカのそれは、法的というよりもガイドラインによって導かれてきたこと、(3)イギリスやドイツのそれは、むしろ法的コントロールによって導かれていること、とくに(4)インフォームド・コンセントの制度化は、アメリカにおいて最も厳しく条件付けられていること、(5)イギリスやドイツの場合、医師役割・患者役割は、アメリカほど激変していないこと、(6)アメリカにおいて、ティーム医療がもっとも整備されていること、(7)ターミナル・ケアについては、アメリカよりもイギリスやドイツのほうが、よりよく制度化されていること、を確認することが出来た。 「医療思想革命」の洗礼を受けていない日本の場合、アメリカ医療との比較が決定的に重要であると思われる。最も鋭いコントラストをなしているからである。そうすることによって、日本の医療改革の指針をうることが出来るであろう。
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