研究課題/領域番号 |
16402034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
石井 由香 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 助教授 (20319487)
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研究分担者 |
関根 政美 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (20129498)
浅川 晃広 名古屋大学, 国際開発研究科, 講師 (80402410)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | オーストラリア / アジア系 / 専門・技術職国際移動者 / エスニック・ネットワーク / 専門・技術職移動者 / 中間層 / 社会学 / アジア太平洋 / 移民 / 専門・技術職 / 華人 / 多文化主義 / 政治参加 |
研究概要 |
オーストラリアの専門・技術職国際移動者受入政策については、政策の進展、また州レベルでの独自の政策について、その推移を把握した。さらに、現在のハワード政権の下で、経済的多文化主義(Economic Multiculturalism)ともいうべき政策が推進されており、アジア系専門・技術職従事者の状況がこうした政治状況に影響を受けていることも明らかとなった。 アジア系専門・技術職国際移動者の階層状況については、彼らの多くは中間層に位置し、就労および生活上、大きな問題を抱えてはいなかった。これは既存の研究からも予想されるところであった。 しかし、生存戦略とエスニック・ネットワークという点では、当初彼らはホスト社会での生活に満足し、オーストラリアにおける政治・社会参加にはそれほど関心を持たず、主に自らのアイデンティティ保持や経済的利益を最大化するために国内外のエスニック・ネットワークを利用しているのではないかと考えていたが、エスニック・アソシエーションの代表者などへのインタビューを通じて、この仮説に修正の必要が生じた。 彼らの多くは市民権を取得しており、出身国・社会とのつながりよりもむしろオーストラリア市民としての立場を重視している。そして、本調査を通じて、彼らのなかには政治的関心を持ち、エスニック・アソシエーション活動を通じてオーストラリア社会のメインストリームに参画することが自らの立場をより強めるものであり、またオーストラリアに「貢献」できる道だと考えて、社会活動を行う者が少なからず現れていることが明らかになった。その際には、彼らの専門性が大きなアドバンテージとなっている。さらに、本調査ではアジア系政治家への直接のインタビューにより、上記のような政治・社会統合を志向する専門・技術職「移民」の政治参加のあり方を部分的に実証することを試み、一定の成果を得ることができた。
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