研究課題/領域番号 |
16402037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松井 豊 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60173788)
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研究分担者 |
井上 果子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (10242372)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 災害救援者 / 惨事ストレス / ストレスケア / 消防 / イギリス / オーストラリア / ニュージーランド / 警察 / 救急 |
研究概要 |
災害救援者の惨事ストレス対策の現状を把握し、対策に携わる要員の教育や訓練のあり方を知るために、2004年から2005年にかけて、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドにおいてフィールド調査を行った。3力国の災害救援組織の責任者や実践者に、半構造化面接を実施した。3力国においては、集団的アプローチ(デフュージング・デブリーフィング)と個別的アプローチ(カウンセリング・ピアサポート・電話相談など)との併用が一般的であった。ただし、併用している組織でも、集団を主とする組織は少なく、個別的アプローチを主とするシステムが多かった。個別的アプローチにおいては、専門家だけでなく、訓練されたピアによるサポートが重視されていた。 3カ国の惨事ストレス対策の動向をまとめると、集団的アプローチと個別的アプローチの併用、単回ではなく継続的な支援、デフュージングとリスク査定の重視、集団的アプローチの柔軟な運用、ピアサポートの重視と教育・研修の充実などがあげられた。さらに、災害救援者組織のメンバーが外部に対する自己開示を好まないこと、同僚の殉職や子どもの犠牲が最大のストレッサーになること、現場要員と信頼関係を築いた指導者が精力的にシステムを推進していることは、3力国の惨事ストレス対策に共通した文化普遍的な現象であると推定された。 これらの考察を踏まえて、日本の惨事ストレス対策のあり方が論じられた。
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