配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,2008年に本格稼働が期待されるCERN LHC加速器用に観測装置を製作し,超前方に発生するガンマ線,パイゼロ,中性子のエネルギースペクトル求めることにある.それにより,超高エネルギー宇宙線の大気中での振る舞いのモンテカルロ・シミュレーションに用いられる核相互作用モデルの検証を行う.このために,周到な実地調査,現地研究者との打ち合わせ,実験提案書の作成,審査委員会への出席,プロトタイプ測定器の作成,CERN SPSビームを用いた予備実験、本実験用の装置の製作とそのビームテストを行った.プロトタイプ検出器の性能テスト結果はNuclear Instrument and Method誌に投稿した.また,各種国際会議での実験計画紹介を行い,高い評価を得ている.CERNでの審査は2年半におよび,2007年夏に正式にLHCでの6番目の実験,LHCf,として認可された.これは当初より採択されていたLHCでの大型実験以外で認められた初めての実験である.製作した装置はタングステンからなる約40輻射長のカロリメータで,2cmx2cmのタワーと4cmx4cmの2つのタワーからなる.シャワーの位置決めのためにシンチレーティング・ファイバーとマルチアノードPMTを、吸収ネエルギー測定のために,プラスチックシンチレータを使用する.装置にはビーム照射中も可動にするためのマニピュレータも付けた.設置場所はIP1と呼ばれるビーム衝突点から140m離れた地点に決定した.ここは,ビームパイプが2本に別れる地点であり,衝突で発生した粒子の最前方を観測可能である。そこには,TANと呼ばれる中性粒子吸収装置が設置されが,我々の目的に適した幅9cm長さ35cmの空洞がある.装置の設置テストも2007年1月に行い,短時間で可能なことを実証した.
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