研究課題/領域番号 |
16403004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
黒川 眞一 (黒川 真一) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (90044776)
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研究分担者 |
福間 均 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (40150007)
吉岡 正和 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (50107463)
赤井 和徳 (赤井 和憲) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (10184061)
船越 義裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (80181436)
大見 和史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (10194292)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | VEPP-2000 / 円形ビーム衝突 / ハドロン生成断面図 / BINP / VEPP-2M / 偏向電磁石 / ソレノイド超伝導電磁石 / 電子陽電子衝突型加速器 / ビームビーム相互作用 / ソレノイド / KEKB加速器 / 電子陽電子衝突型線形加速器 / ブドカー原子核研究所 / ビーム・ビーム相互作用 |
研究概要 |
VEPP-2000の主たる目的は、既存の加速器VEPP-2Mをもとにして、ビームあたりのエネルギーを1GeVまであげ、電子と陽電子の間の円形ビーム衝突を実現することにより、最高ルミノシティ2x10^<32>cm^<-2>s^<-1>まで大きくし、VEPP-2Mで用いていた物理実験測定器を用いた素粒子物理学の成果を大幅に向上させること、そして、円形ビーム衝突というこれまで用いられなかったビーム衝突方式の、加速器物理研究を行うことである。 重心系エネルギー1.4-2.0GeVの間における電子陽電子衝突によるハドロンの生成に関するデータはいまだ不十分である。このエネルギー領域のハドロン生成断面積を正確に測定することにより、素粒子物理学の多くの過程の理解を高めることができる。そのために、VEPP-2000の建設が提案され、また、建設が行われた。 電子と陽電子の間の円形ビーム衝突においては、その対称性に基づき、ビームの運動は、本質的に1次元的な性質をもち、ビーム衝突における非線効果が大幅に弱まるはずである。このような基本的な考えの上に、電子陽電子の円形ビーム衝突についての、理論的な検討および、計算機シミュレーションによる確認は、高エネルギー加速器研究機構とBINPの間の共同研究として行われ、加速器のビーム光学上のパラメータを工夫することにより、想定されるルミノシティが実現できることが確認された。 VEPP-2000の建設においては、VEPP-2Mが置かれていた実験ホール、VEPP-2Mのための加速器のインフラストラクチャ、そしてVEPP-2Mの物理実験用測定器であった、SNDとKMDを最大限に利用することで行われた。VEPP-2Mの実験ホール(18mx12m)の大きさの制約により、VEPP-2000の設計にはおおきな制約がともなった。特に、偏向電磁石は、2.4Tという強い値を持っことになった。また、円形ビームの達成のためには、13Tという高い磁場を持つ2対のソレノイド超伝導電磁石が必要である。 初期の段階においては、既存の入射器システム、すなわち、線形加速器ILU(2.5MeV)、シンクロトロンB3M(250MeV)、ブースター・ストレジリングBEP(900MeV)を利用する。高いルミノシティの実現のために、VEPP-5のために建設されている新しい入射器システムが用いられる予定である。 VEPP-2000は、2007年春に、いくたの困難を乗り越えて、建設を終了し、ビームの総合運転に入った。また、新しい入射器システムも2008年春には完成予定であり、今後、2-3年のうちに、初期の性能を達成し、素粒子物理の成果を生み出すであろう。
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