配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2006年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
国際連合の開発計画(UNDP)が中心になって計画が立てられた,豆満江(中国・ロシア・北朝鮮国境地域)開発計画や,ロシア沿海州ウラジオストク周辺の具体的な開発活動が,日本海の対岸に位置する北陸地方(富山市と金沢市)の大気環境にどう影響するのかを見積もるため,開発が進行する前段階の環目本海域大陸側と北陸地方の大気を採集し,エアロゾル中の化学成分(無機成分と有機成分)の比較を続ける計画を立てた。 UNDPによる開発計衝は具体化しておらず,従って,開発前後の大気エアロゾルの比較には至らなかったが,ウラジオストク周辺の開発は急速に進んでおり,ウラジオストクと北陸地方の大気の比較を主な研究対象とした。 無成分の分析は,ロシア政府の方針変更により,当初予定していた現地採集試料を日本へ持って行き,日本の分析機器で解析するという計画が実現できなくなり,ウラジオストクにある装置と日本の装置を用い,両者で日本で採集した大気成分の解析結果を比較し,今後予定している採集試料の分析が可能かどうかを検証することとした。 有機成分の分析は,ロシア政府の方針変更前に進められていた採集試料の分析により,ロシア国内で採集した試料の分析が可能であったため,その結果と北陸地方の大気エアロゾルの比較を行った。ウラジオストクで採集した大気エアロゾルは北陸地方の試料と比べ,発癌性がある多環芳香族炭化水素や三トロ多環芳香族炭化水素の含有量が多いことがわかった。これはウラジオストクにおける石炭燃焼や工場排ガス処理が原因と考えられ,そして,これらの成分が日本海を超えて北陸地方に飛来している可能性は低いことを示唆した。なお,研究期間に行われたとされる北朝鮮政府による核実験については,試料採集の時期が合わなかったことと,ロシア政府による豆満江近辺のロシア国内観測所への移動制限があったため,実現できなかった。
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