研究課題/領域番号 |
16404022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地球・資源システム工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
赤川 敏 北海道大学, 大学院工学研究科, 特任教授 (90360932)
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研究分担者 |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (10332470)
福田 正巳 (福田 正己) 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
BROUCHIKOV Anatoli (BROUCHKOV Anatoli) 北海道大学, 総合博物館, 教授 (80333649)
ANATOLI Brouchikov Hokkaido Univ., Museum, Professor (80333699)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 永久凍土 / チルドガスパイプライン / 天然ガス漏洩 / 凍土 / 世界標準 / 地球温暖化 / 永久凍土調査 / 凍上 |
研究概要 |
この研究は当初(H11年)「ロシア西シベリアにおけるガスパイプラインからの天然ガス漏洩が地球温暖化に関して看過できない状態」という未確認情報に端を発している。その後、北大チームによるH11-15までのJSTによる永久凍土地帯での実大実験に並行し、上記状況調査を国内商社を通じて試みた。残念ながら報告の真偽に疑問が残り、外国人には規制のある当該地域へ自ら調査を行うというこの調査研究が計画された。 平成16年度には国際会議のエクスカーションとして当該地域を上空から調査できる機会を得、当初埋設されていたパイプラインが地上へ露出している状況を遠景ではあるが把握した。その後、当該地域での地上踏査を可能にするためにロシアの関係者10名にヒアリングを実施し、地上踏査の折衝窓口としてチュメンの地球低温圏研究所所長であるV.P.Melnikov(ロシア科学アカデミー会員)を選定した。同年Melnikovに当該地域のガスパイプラインの状況調査および次年度の現地調査準備を依頼した。 平成17年8月末にMelnikovの調整によりNadymgazprom社の全面的な協力を得て北極圏を縦断するメドベジェガス田の地上調査が実現した。この調査にはNadymgazprom社の技術者2名チュメンの石油ガス大学の助教授2名が同行し、我々の質問に完壁に対応してもらえた。当該地域のパイプラインは当初埋設されていたが、現在はほぼ100%地上に露出た状況で稼働していた。この原因は、ガス温度を負に冷却せずに永久凍土地帯をパイプ輸送したためと確認された。 平成18年10月、主にロシアの技術者に対し永久凍土地帯におけるガスパイプラインの要求品質、およびこれを実現する技術、さらには技術課題を認識してもらうためのワークショップをアラスカ州フェアバンクス市で開催した。Melnikovの尽力でGazprom社から10名の参加者を得、オイルメジャー各社からも15名が加わり6各国87名が参加する会議をアラスカ大学と共催した。この会議を通して当初の目的は達成されたと思われるが、オイルメジャー各社の閉鎖性からGazprom社の更なる技術革新にオイルメジャーが支援することは期待できないとの印象を得た。 今後ロシアからの天然ガス輸入国となり得るわが国とすれば、安定的な輸入の確保のために、ロシアにおける永久凍土地帯のガスパイプラインの品質向上に更なる技術的支援が必要と思われる。
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