研究課題/領域番号 |
16405010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 (2006-2007) 龍谷大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
大澤 晃 京都大学, 農学研究科, 教授 (90288647)
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研究分担者 |
梶本 卓也 森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (70353638)
松浦 陽次郎 森林総合研究所, 立地環境部, 主任研究員 (20353857)
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (60237071)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,460千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 660千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | Larix gmelinii / ロシア / シベリア / 永久凍土 / 森林生態系 / 現存量 / 施肥 / 窒素動態 / 地球温暖化 / 窒素循環 / 森林構造発達 / 国際研究者交流 / 永久凍土地帯 |
研究概要 |
一般の密な植物群落では、植物が成長して個体密度が低くなると、現存量は予測可能なパターンで次第に大きくなる。この定量的関係を「自然間引きの法則」という。ところが、永久凍土の上に成立したシベリアのカラマツ林データの解析によると、この森林では生態学の常識に反して個体密度が小さくなると現存量が一定値に収束してしまう傾向がある。永久凍土のために、夏の間融解する表層土壌の厚さが限られ、土壌養分の不足が制限要因となって地上部現存量が一定値以上に増えられない、と私たちは考え、これを森林の「バイオマス制限仮説」と呼んだ。本研究ではシベリアのカラマツ林に窒素肥料をまくコントロール・野外実験を行い、窒素動態の変化とともに森林の構造と機能の変化を調べた。 本研究が対象とした永久凍土上のカラマツ林は、窒素動態のパターンを正確に捉えることが非常に難しい生態系であることが明らかになった。窒素無機化速度が一般に非常に小さく、かつその空間変異が非常に大きかった。また、施肥によって濃度が高くなったであろう無機態窒素の多くが土壌微生物によって吸収されていると考えられる、窒素の不動化が起こっていると示唆された。4シーズンの窒素肥料施肥実験の結果、特に林床植物の植物体内の窒素濃度は幾分上昇したが、カラマツに代表される森林の構造にはいまだ変化が見られていない。ただし、窒素動態測定の結果、この生態系では窒素が植物の成長にとって制限要因となっていることが強く示唆された。これらの成果は、すでに多くの国際学会プロシーディングズとして発表された。また、原著論文としてすでに公開されたか、現在執筆が進んでいる。本研究成果を総合的にまとめた書籍がドイツのSpringer社からEcological Studies Seriesの一冊として出版されることが決まっており、その原稿がほぼ完成に近い状態にある。
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