研究課題/領域番号 |
16405011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助教授 (40179239)
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研究分担者 |
玉手 英利 山形大学, 理学部, 教授 (90163675)
土屋 公幸 東京農業大学, 農学部, 客員教授 (30155402)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 生物地理 / 分子系統 / 核遺伝子の塩基配列 / 種の多様性 / 遺伝的多様性 / 第三紀後期の環境変動 / ハツカネズミ属 / クマネズミ属 |
研究概要 |
本研究では、ネズミ亜科類、ウサギ類、モグラ類、イタチ類を中心に、過去1000万年間の小型哺乳類の系統分化の進化的過程を理解するために、ミトコンドリアDNA (cytochrome b, 12S rRNA)および核遺伝子(IRBP、RAG1)の塩基配列の変異に基づき分子系統学的解析を行った。その結果、これらの分類群においては東南アジア域を起源とし、第三紀後期から第四紀における複数回の系統放散により、ユーラシア、アフリカ、北アメリカ、そしてオーストラリアに系統を到達させ、それぞれの大陸で引き続く進化的時間の中で系統の放散を行ったものと推察された。特に、ハツカネズミ属において詳細にその歴史を解き明かすことに成功した。500-600万年前にインド、東南アジア、アフリカに固有の亜属系統が生じ、200-300万年前にさらにユーラシア亜熱帯域においてハツカネズミ亜属が、インド、東南アジア、ヨーロッパ(地中海沿岸域)、そしてミャンマーの4地域において固有の系統(4つのSpecies Groups)を派生させ、それぞれの地域でニッチが許容する種数を充填すべく、さらに引き続いて系統分化を行ったものと推察された。これらの進化過程は、ユーラシアの温帯域に展開するアカネズミ属(Apodemus)、東南アジアに展開するクマネズミ類(Rattusおよびその近縁属群)においても同様の傾向を示すことが明らかとなり、地球の時空間の必然的要因によって種の多様化が連動的に行われたことを今回得られたデータから読み取ることができた。地球レベルの系統分化の歴史の中で、日本列島の哺乳類種も上記の流れに呼応する形で種の多様化が図られたことも明らかとなった。
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