研究課題/領域番号 |
16405017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浜田 穣 (濱田 穣) 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40172978)
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研究分担者 |
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (00177750)
大井 徹 森林総合研究所, 関西支所・生物多様性研究グループ, グループ長 (10201964)
泉山 茂之 信州大学, 農学部, 准教授 (60432176)
丸橋 珠樹 武蔵大学, 人文学部, 教授 (20190564)
大澤 秀行 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60027498)
後藤 俊二 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90093343)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,810千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | マカカ / 生物多様性 / インドシナ半島 / 種形成 / 地理的変異 / 交雑 / 遺伝子浸透 / レフュジア / アカゲザル / カニクイザル / 系統地理学 / 進化 / インドシナ / Macaca / 亜種 / 地域変異 / マカク / 東南アジア / Macaca mulatta / Macaca fascicularis / 分布 / Introgression / 交雑帯 / 亜種分化 |
研究概要 |
アカゲザル(Macaca mulatta、以下Mm)とカニクイザル(M. fascicularis、Mf)はアジアに広く分布する、成功した種である。この2種は系統発生学的に近縁で、東南アジアの北緯15-20度付近に境界域をもっている。Mmの地理的変異集団は亜種ではなく、グループとして扱われ(Fooden,2000)、東・西グループはそれぞれ中国とインドを中心とする諸国に分布し、その間の識別徴は尾長しかない。中間地域のインドシナ半島のMm集団は、以前から、東西グループとは異なることが知られ、それに関して1)Mf(尾長は頭胴長の110-130%)から起源後、尾が短縮化していない古系統、2)Mfからの遺伝子浸透(introgression)を蒙った交雑集団とする二つの仮説がある。クラ地峡(北緯10°付近)以北に分布するM. f. fascicularis亜種にもMmからの遺伝子浸透が推測されている。これらの仮説の検証と、遺伝子浸透パターンの解明がこの研究課題の目的であり、以下の事実を明らかにした:1)交雑を疑わせる中間的形質状態を持つMmとMfはそれぞれ、ベトナム、ラオス、タイ(東北地方)の境界域に、クラ地峡以北に広く分布する。主としてミャンマーに分布するM. f. aurea亜種とその近くに生息するMmには、遺伝子浸透は形態面では示唆されない。2)遺伝子浸透のパターンはベトナムとタイ東北地方および近傍のラオスの間で異なる。これらの事実から、遺伝子浸透は更新世の氷期(乾燥・季節性気候)に祖先がレフュジアに逼塞していた時期に起こり、レフュジアの地理的広がりや隔離状態が両地域間で遺伝子浸透パターンに違いをもたらしたと考えられる。タイの西半地域とミャンマーでは、両種は同一のレフュジアに生息しなかった、或はレフュジア間で遺伝子流動(浸透)が存在しなかったと考えられる。
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