研究分担者 |
大澤 良 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (80211788)
藤村 達人 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (70292513)
MATTHEWS Peter J. (PETER J.MATTHEWS / MATTHEWS PETER J.) 国立民族学博物館, 研究部, 助教授 (70281590)
河瀬 真琴 (独)農業生物資源研究所, ジーンバンク, 上級研究員 (00192550)
坂 智広 (坂 智弘) (独)国際農林水産業研究センター, 生物資源部, 主任研究員 (80343771)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
ミャンマーに関する本研究は、大別して3点の作業分野:i)調査・収集、ii)多様性の測定及びiii)農家保存地の同定及びモニタリングの開始からなる研究を行った。視点は,1)遺伝資源銀行での遺伝資源の多様性の実体程度の推定:2)主要集荷市場でのサンプリング:3)食糧農業遺伝資源の生息域内保全(栽培地)の候補地調査:4)ミャンマー遺伝資源銀行での形質評価:5)遺伝資源政策の調査及び展望:6)保全のための能力構築:7)国際研究支援グループの連絡構築を考慮した。これら調査は当該科研費に加えて奨学寄付金等によって賄われた。 調査地域は、ミャンマー中部及び山岳地帯を主体にH16年度は予備調査2件(渡邉・藤村)、ミャンマー中部への探索2件(マシウス・渡邉)及びミャンマー国境のタイ(渡邉)及びラオス(河瀬)の調査2件、計6調査を行った。H17年度は河瀬と渡邉により雨期のカチン州を探索し,野生イネの動態や隔離農村の農家保全を観察した。マシウスはタロの繁殖方式について前年度の調査にも続き中部ミャンマーで調査を行った。後2件(渡邉)により前年度訪問したミャンマー中部地域の園芸作物遺伝資源の農家利用のモニターを行った。 H18年度は,H17年度の3件の調査収集旅行(Matthews,渡邉、河瀬)に基づき、同じ場所をモニターした。渡邉は,H18年7月及びH19年3月に南部のヤンゴン郊外HleguのVFRDC近郊(バナナ、マンゴー、ショウガ科非ショウガ属、ナス科野菜(ナス、トウガラシ、トマト、nightshadeなど)及びNaugnapin周辺を頻繁に現地協力者と品種の変遷を確認した。同様にサトイモについてヤンゴン郊外を調査し,Matthewsは、H18年10月にサトイモについて、Kachin州のIndawgyi湖周辺の調査を行った。河瀬と渡邉は,H18年11月に北部はKachin州のPutaoを起点としてSumbien, Sumprabon, Myikyinaにいたる日本人未踏の地を徒歩にて調査し,少数民族の村落で,民俗学的な知見を含めて遺伝資源の調査及び収集をおこなった。野菜類の遺伝資源の利用や保全が非常に脆弱で合あることがわかった。本調査では,約100点の収集物の分譲をMTAに基づきMOAIから受け,農業生物資源研究所ジーンバンクに保存した。これらは、イネ,ソルガム,Vigna,ナス野生種、ショウガ科非ショウガ属などである。なお、これら調査は,旅費等の支弁を他の寄付金等も導入し行った。軍事政治的事情から調査活動は限定される可能性があったが、現地政府との緊密な連絡連係によって、極力支障のないように行動できた。マンゴーとショウガについて、モノグラフの作成を共同作業でミャンマー側と行い初稿原稿ができH19年度に出版予定である。 過去3年の調査基盤に基づき,ミャンマーだけではなく、近隣国の国境周辺における少数民族の植物・作物との関わりと保全と持続的利用に係る研究課題についてグループメンバーを主体として検討した。人類学,社会学、法学、薬学、地域開発学等の研究者を含めた学際研究グループの構築を行い,当該科研研究からの発展課題を構築した。
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