研究課題
基盤研究(B)
1)中央アジアの異なる地域(カザフスタン・ウズベキスタン)において、特に深層土壌中の塩濃度に留意して広域調査を行うと共に、既存のデータを解析した。その結果100-200cm深土壌中の塩含量に関して、以下のような明瞭な地域的な傾向が見られた。1)イリ川流域では、可溶性陽イオン含量は低い傾向にあった。2)フェルガナ地域において可溶性陽イオン含量およびナトリウム吸着比が比較的低いのに対して、シル・ダリア川下流域ではこれらはいずれも増大した。Na+やCl-という可動性の高いイオンが、河川上流部から除かれ下流域に濃縮されていると考えられる。3)カザフスタン北部においては、深層土における可溶性陽イオンが通常高く、Naの割合も高い。これらの塩類は母材である堆積物起源と考えられる。このように深層土壌の塩含量は、第一義的には地球化学的要因によって規定されていた。2)次に圃場スケールにおける塩集積規定要因を解析するために、シル・ダリア川下流域の2農場において現地調査を行った。農場内の計95の調査地点でDifferential-GPSにより測量を行うとともに、表層土・下層土・地下水をそれぞれ採取し、土壌の水抽出液および地下水の電気伝導度(EC)と、土壌の粒径組成について分析した。測量の結果、農場全体の傾斜は0.05%程度であった。両農場とも緩やかな傾斜部と平坦部を有し、局部的には窪地を含んでいた。非灌漑期における水田の塩濃度は、表層土・下層土ともに、窪地以外ではある程度低く抑えられていた。灌漑期の水田では、表層の塩類はほぼ洗い流されていたが、イネの生育は塩濃度の比較的高い地点で悪くなる傾向にあった。一方、灌漑期の畑作地では、地下水位が塩類の表層集積量を大きく規定していた。水位は主に標高が低い地点で高くなっていた。このように農場スケールでは、土壌塩性化の程度は地形によって大きく影響されることが明らかとなった。
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