研究課題/領域番号 |
16405029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
池上 甲一 近畿大学, 農学部, 教授 (90176082)
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研究分担者 |
小野 征一郎 近畿大学, 農学部, 教授 (40017075)
山尾 政博 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (70201829)
榎 彰徳 近畿大学, 農学部, 准教授 (40122022)
前潟 光弘 近畿大学, 農学部, 准教授 (10268451)
鶴田 格 近畿大学, 農学部, 准教授 (60340767)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,270千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | オルタナティブ・トレード / フェアトレード / 南北問題 / コーヒー貿易 / 水産物貿易 / 社会的責任 / 消費者責任 / 内部組織の経済学 / 広義のトレード / 新しい搾取 / オルタナティブトレード / 農産物貿易 / 一次産品 / フェアトレード認証 / エコシュリンプ / 組合間協同 |
研究概要 |
本研究の課題は,主流派の生産・貿易モデルとは異なるもうひとつの貿易(オルタナティブ・トレード、以下AT)の普及可能性とそこにおける消費者の役割と責任を検討することである。この課題を解明するために、第1にWTO体制下の貿易構造の変化とその途上国における影響を実証的に分析し、第2にATの諸形態とその効果を解明した。第3にATの1形態であるフェアトレード(以下、FT)について、日本、フランス、台湾で消費者によるその認知度と購買行動に関する意識調査を実施し、その結果から消費者責任の概念とその具体的な現れ方について比較検討した。なお、同種の国際調査としては本研究が世界最初のものである。第4に、FTの経済的な意味を理論的に考察した。 解明できた主要なポイントを列挙すると次の通りである。(1)南北問題の質的転換が起こり,その構造的固定化が進んでいる。このため,従来の市揚メカニズムとは異なる農水産物貿易の論理を構築すべき時期に来ている。(2)その際に消費者の役割が大きいけれども、日本では消費者の社会的責任に対する認識をもっと深める必要がある。台湾でもFTが認知され始めており、世界的に見て立ち遅れていた東アジアのFT市揚に拡大の可能性が生じている。(3)経済の二重構造を抱える南アフリカでもFTが定着しつつあるが、その担い手は、農業労働者を受益者とする大規模農場である点に小生産者を対象とする一般的なATと異なる特徴がある。(4)ATの担い手として協同組合セクターの役割が大きい。その期待を実現するための条件を検討する必要がある。(5)ATは「内部組織の経済学」理論によって説明が可能であり、この観点から、脆弱な立場にある生産者のリスクを流通・消費に移転し、限界的生産者の効用を安定化させることにATの経済的意義を認めることができる。
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