研究概要 |
3年間、本邦とアジア圏(中国四川省成都(四川医科大学老年科)、雲南省昆明(昆明紅十字病院内科,雲南中医学院)、ネパールカトマンズ市(Tribuhan大学婦人科)、韓国ソウル市(サムソン医科大学婦人科)、イランテヘラン市(テヘラン大学ベサット病院)で、研究協力者より,問診診療,アンケート,一般及び遺伝子解析用採血を行った。3年間で成都,昆明,韓国,ネパール,イラン,各々で,345,333,306,156,201名の閉経後女性(48-83歳)(本邦629名)の成績を得た。アンケートはホルモン補充療法,幸福感,うつ尺度,高齢者総合機能評価,リビングウイルを網羅した。HRT施行率は韓国が32%と高く,日本4%,中国,イラン0%だった。日本は他国に比し,外出,運動趣味が少なく幸福感が低かった。延命治療,がん告知希望者も少なかった。メタボリック症候群はNCEP-ATPIII,IDF,日本の基準で中国、27.3、37.3、13.7%、日本は12.5、15.9、5.9%であった。 遺伝子解析では中国の血液,DNAの海外持ち出し禁止のため解析システムを構築した。血栓関連-凝固V因子-Leiden変異,プロトロンビンG20210変異等,凝固線溶関連-PAI-1遺伝子等,内皮機能関連-eNOS,Estrogen receptorα,β等,代謝関連-PPARα等17種のSNPを解析した。アジア諸国は殆ど共通分布を示したが,PAI-1,ERα,eNOS等に国別、地域別の差を認める傾向にある。中国に高頻度に認められたメタボリック症候群に関して国際学会及び,論文発表した。採血はAdiponectin,IL-6等も行った。
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