研究課題/領域番号 |
16406010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
吾妻 健 高知大学, 医学部, 教授 (40117031)
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研究分担者 |
平井 啓久 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (10128308)
田口 尚弘 高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 助教 (80127943)
吾妻 美子 高知学園短期大学, 医療衛生学科, 教授 (50004726)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2006年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 日本住血吸虫 / Schistosomatidae科 / 分子系統樹 / 染色体顕微切断 / 直接ゲノムマッピング法 / ミトコンドリアゲノム遺伝子配置 / 住血吸虫の起源 / 共進化 / ミトコンドリアDNA / 核DNA / 染色体 / 分子系藤樹 / 分子進化 / 種分化 / 分子生物地理 / 住血吸虫 / 遺伝子配置 / 肝臓超音波検査 / Network pattern / Orientobilharzia |
研究概要 |
本研究では、Davis(1980、1992)による日本住血吸虫のアフリカ起源説の検証を行うため、DNA塩基配列、mtDNAの遺伝子配置および染色体のマツピングを解析してきた結果、ほぼアジア起源説という結論に達した。しかし、Out of Asiaの方法とその時期についてはまだ不明である。また、S.indicumグループの一部がOut of Asiaの後、アフリカからアジアに再移入したということも推定されたが、その方法と時期についてもまだ未知である。今回は、種内変異に着目し、その地理的分布との比較から特にS.indicumグループ内のmt DNA CO1のハプロタイプの分布を調査した。その結果、S.spindaleでは、バングラデッシュに塩基配列のかなり異なる2つのハプロタイプがみとめられ、その一つはマレーシア産およびスリランカ産と同一クラスターを形成し、もう一方は、タイ産とクラスターを形成した。このハプロタイプ間の塩基配列の違いは、別種間に相当するものである。さらに住血吸虫mtDNA遺伝子配置におけるホット領域(ND4-ND1)において、これまで未解析のS.indicumグループ内のS.nasale、s.incognitum、S.bovisについてはじめて解析を試み、これら3者はすべてアフリカ型であることを明らかにした。また、S.incognitumの分類学的位置を確かめるため、ND4-ND1の領域の各領域別ならびに、これら3つの領域全部とCO1領域をつなぎ合わせた、いわゆるconcatinated塩基配列による系統樹解析を行ったところ、前者の場合は、不安定な系統樹が得られたが、後者の場合は、安定した種間関係並びに属間関係が得られた。これらの結果を総合すると、S.incognitumは、アフリカ産住血吸虫とS.indicumグループの両者の共通祖先種から進化の初期において最初に分岐した系統であるという結論に達し、S.japonicumグループとの共通祖先種から分岐したとの見解は否定された。
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