研究課題
基盤研究(B)
GBウイルス-CがHIVに及ぼす影響1)タイ国ランパーン県におけるHIV感染者および非感染配偶者のコホート研究:本コホートにおけるGBV-C感染率は11%で、ゲノタイプ別ではG2が27%、G3が51%、G4が22%を占めた。GBV-C感染者は非感染者と比べ、統計学的に有意にCD4陽性T細胞数が多く、HIVコピー数が少なく、AIDS症状を認める頻度が低く、生存率が高かった。その傾向は特にG2において顕著で、次いでG4にも認められたが、G3では明らかではなかった。現在、非感染配偶者における調査が進行中である。2)実験室研究:G3とG4のウイルスの膜蛋白遺伝子の領域をサブクローンし、これをG2の感染性分子クローンの膜蛋白遺伝子領域とスイッチしたハイブリッドを作成し、これらをヒト末梢血単核細胞にtransfectionさせた上でHIV-1を共感染させる実験系では、どの分子クローンにもHIV抑制効果があるがゲノタイプによってその程度が異なることが推測された。その他のウイルスについての研究TTV:日本国内の健康乳幼児における感染率が1カ月児で6%、3-4カ月児で34%、3歳半で90%、成人で84%であった。またゲノタイプ別ではG3が最も多く、G1は3歳半以降では2番目に多く、G4は3-4カ月では2番目に多かった。乳児発熱症例では同年齢の乳児よりTTV検出率が高く、無菌性髄膜炎等の熱性疾患の一病因として疑われた。現在、タイ国HIVコホートでのTTV感染疫学をゲノタイプ別に検索している。HHV-8:タイ国HIVコホートにてHHV-8感染はHIV感染者の5.0%に認めた。ラクトフェリン(LF)の抗ウイルス作用日本国内の健康乳幼児におけるロタウイルス胃腸炎の予防効果を調査したところ、LF含有食品(一日100mg相当)の摂取により症状が顕著に軽快することが証明された。
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