研究課題/領域番号 |
16406026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
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研究分担者 |
飴嶋 慎吾 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60262614)
松川 茂 総合実験研究支援センター, 助教授 (00092809)
酒井 秋男 信州大学, 大学院医学研究科, 助教授 (70020758)
水野 史朗 福井大学, 医学部, 助手 (80397281)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ヤク / 肺循環 / eNOS / DDAH / ADMA / ET-1 / 低酸素適応 / 高地適応 / 極限高地生息動物 / ナキウサギ / HIF1α / ET1 |
研究概要 |
低酸素環境下の高地でも低酸素性肺高圧症や肺性心を生じない高地高地適応動物のヤク肺循環特性を低酸素反応性産物であるeNOS蛋白の発現、DDAH(dimethylarginine dimethylaminohydrolase)蛋白発現と酵素活性、血漿ADMA(asymmetrically methylated Arginine),ET-1をそれぞれウェスタンブロット法およびEIA法で比較検討した。 結果は、 1)牛肺と比べ、ヤク肺のeNOS蛋白の発現が有意に高く、DDAH蛋白発現と酵素活性もヤク肺でより高値であった。一方、両動物の腎組織のDDAH蛋白発現は差を見なかった。 2)さらに、内因性NO阻害物質であるADMAの血漿値がヤクでは低地生息牛のそれよりも5倍程度高く、高地生息牛でも低地生息牛のそれよりも4倍高値を示した。 3)また、ヤクの血漿ET-1値が低地生息牛の2倍高値であった。 以上の結果は、ヤク肺ではeNOS蛋白やDDAH蛋白発現が牛肺と比ぺ増強しているが、血漿ADMAとET-1はヤクで逆に増加しており、血管拡張物質と血管収縮物質のバランスが高位で調節されていることを示す。もっとも、血漿ADMAとET-1の肺同静脈格差を直接測定しているわけではないが、ヤク肺では血管拡張物質であるNO系を保護する機序がより働き、結果的に低酸素環境下に生息するにもかかわらず相対的な低圧の肺循環を保っているということが示唆される結果でもある。得られた動物実験の成果は臨床の低酸素性肺高血圧症と慢性呼吸不全の病態生理と治療戦略を考える上で良いアイデアをもたらしてくれると信じる。
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