研究課題/領域番号 |
16406034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50226172)
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研究分担者 |
千葉 逸朗 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50250460)
土井田 誠 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90313890)
山下 知巳 (山下 知己) 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80345793)
石崎 明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (20356439)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,930千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 930千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ORAL CANCER / CARCINOGENESIS / BETEL CHEWING / MOLECULAR ANALYSIS / SRI LANKA |
研究概要 |
我々は、東南アジア地域のスリランカ共和国および台湾にて噛みタバコの習慣に起因する前癌病変(白板症、粘膜下線維症)および癌病変におけるgeneticおよびepigeneticな変化を明らかとするために、これら病変を有する症例の検体を分子生物学的に解析した。その結果、噛みタバコによる口腔癌では癌抑制遺伝子p53の変異がExon5に集中する他に類を見ない特徴を持つが、前癌病変にはこの変異は認められず、単純な1つのp53の遺伝子異常で発癌に到る訳では無いこと。また、血球DNAの解析により、ニトロソアミン類活性化酵素CYP2A6と活性化ニトロソアミン類代謝酵素GSTM1の個体差(SNPs)が、口腔癌の発症に重要な背景因子の一つとなっていることを見出した。また、epigeneticな変化としてp14、p15、p16、MGMTのmethylation statusを評価した。口腔病変のうち白板症ではMild dysplasia、Severe dysplasia、 Submucous fibrosisにおいて、p14,p15,p16は病理組織学的に悪性化(重篤化)するにつれてメチル化異常を伴う頻度が上昇するのが観察された。特にsubmucous fibrosis症例ではp53の変異が50%に認められ、p14,p15,p16のメチル化異常も60〜80%の極めて高い頻度で観察された。この現象は、国内に於ける検討でも観察されること、さらには、p16,MGMTのメチル化異常が口腔がん組織において高率に見出され、病変近傍の組織学的に健常な部位からも検出されることより、これら細胞周期や遺伝子修復に関わる遺伝子のメチル化異常が口腔がんの発癌や病変進行に関与している可能性が示唆された。また、これらのメチル化異常は、生活習慣(タバコ・アルコールetc)によっても生じることも明らかとなり、上述の結果と合わせて、DNAメチル化異常の検索は口腔病変発症における先駆け的な変化を検知するBiomarkerとなり得ることが示された。特に、DNAメチル化異常の検索には、これまでに集積して来ている組織標本を使用するのみならず、ほぼ無侵襲に採取することが可能な綿棒の擦過標本で可能である。このため、複数部位・経時的に採取や可能であり、検討に値する検索項目と考えられた。
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