配分額 *注記 |
14,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 930千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
1949年から1989年の間に,旧ソ連(現カザフスタン共和国)セミパラチンスク核実験場(SNT)において458回の核実験(地上30回,大気中88回,地下340回)が行われた。これら核実験はセミパラチンスク地域住民に急性・慢性の放射能被爆をもたらし,高い頻度で造血系,循環器系,腫瘍性疾患等が発症していることが報告されている。 私たちは, SNT周辺の高線量被爆地域(1.0Sv以上),中等度被爆地域(0.5-1.0Sv)対照地域(0.03-0.07Sv)住民における唇顎口蓋裂等の先天異常,口腔疾患および全身疾患罹患率の調査研究を行った。さらにSNT周辺の高線量被爆地域4地区(ドロン,サルジャール,カラウル,モスティック地区)の計538名の成人住民の歯科治療,口腔疾患および全身疾患罹患率の調査を行った。 その結果,唇顎口蓋裂発症率および口腔疾患罹患率は中等度被爆地域や対照地域と比較して有意に上昇(p<0.001)していることを明らとなった。また、高線量被爆地域住民の欠損歯数(p<0.001),歯周病等の口腔疾患罹患率(p<0.001),全身疾患罹患率(p<0.001)は対照地域の同年齢群と比較して有意に上昇していることも明らかとなった。また,モスティック地区に調査研究に入ったのは医科を含めて我々のクループが最初であった。さらに,ドロン,サルジャール,カラウル,モスティック地区およびセミパラチンスク市の小児を対象に歯科治療およびアンケート調査,歯科検診を行った。 高線量被曝および中等度被曝地区での高い唇顎口蓋裂発症率と口腔疾患罹患率の原因として、放射線の影響が最も強く疑われ,放射線の顎・顔面・口腔系への影響は深刻であることが強く示唆された。
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