配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
計算量理論やアルゴリズム論の分野において,グラフに関する様々な組み合せ問題の解法が活発に研究されてきている.これらの組み合せ問題のなかには,実用的な問題が多く含まれているが,そのほとんどはNP-困難であることが示されている.その一方で,部分k木と呼ばれるグラフのクラスに制限した場合には,多くのNP-困難な計算問題が多項式時間計算可能であることが明らかになってきている.しかしながら,これまでの研究は個々の問題の解法を個別に与えたものであり,これらの問題を解く一般的な方法についての研究はほとんど行われていなかった.本研究では,部分k木の組み合せ問題をモデル化し,そのモデルに現実の組み合せ問題の特色を反映させるために,現技術の調査を行った.今までに知られていた辺彩色アルゴリズム,[g, f]彩色アルゴリズム,多重彩色アルゴリズム,重み付き彩色アルゴリズム,辺素な道アルゴリズム,独立全域木アルゴリズムなどを含む一般的な組み合せ問題を定式化するための幾つかの条件を見つけた.それらの問題を解く効率の良いアルゴリズムを自動的に生成することができる方法論を構築するために,幾つかの組み合せ最適化問題を論理式で定式化することが成功した.更に,kを限定し,部分k木より小さいグラフのクラス,即ち木(部分1木)や直並列グラフ(部分2木)のクラスに置いて,コスト辺彩色や多重点彩色問題を効率でよく解く多項式時間アルゴリズムの開発を成功した.理論的にもその手法の効率性の検証ができた.この成果より,開発されたアルゴリズムは幾つかの条件を満たす一般的な組合せ問題を効率良く解くことが分かった.これらの成果をまとめたのが17編の学術誌論文と20編の国際会議論文である.得られた結果は線形時間アルゴリズムの統一的設計理論を与えるものであり,線形時間アルゴリズム理論の分野に与えたインパクトはい極めて大きい.
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