配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
研究概要 |
本研究は,クライアントPC群が持つストレージの余剰領域を利用し,それら全体を組み合わせて1つの仮想ファイルサーバを実現することを目的としている.クライアントPCを組み合わせて使用することによって,クライアントPCの台数が増加するにつれて自動的にストレージ容量や処理能力が向上するという利点を享受することができる.各クライアントPCは完全に自律分散型で動作し,一部のPCの故障によって仮想ファイルサーバシステム全体が停止することがないように配慮しているほか,格納されるファイルは冗長化されており,これらによって耐故障性を高めている. 本研究の遂行にあたっては,まず,クライアントPC群を利用した分散バックアップシステムを設計した.これは,バックアップシステムはファイルの保存や取得に対する時間的制約などの性能に対する要求がファイルシステムに比較して緩やかであり,実現が容易であると考えられるためである.次に,バックアッフシステムの実現によって得られた知見を活かしつつ,仮想ファイルサーバの設計と実装を行い,動作を確認した. また,これらと並行して,分散ハッシュテーブルの構成方式について研究を行った.これは,仮想ファイルサーバを構成する各クライアントPCはそれぞれ独立して自律的に動作し,任意の時点で台数が増減する可能性があるため,クライアントPCやファイル配置の管理のためには,分散ハッシュテーブルのような柔軟な方式が有効と考えられるためである.我々の提案した方式は,ネットワーク上の近隣度を考慮した階層化クラスタリングに基づいて分散ハッシュテーブルの構成を行っており,これによってシステム全体としてネットワーク帯域を有効に利用することが可能となっている.
|