| 研究概要 |
商用の画像サーチエンジンとユーザの間に画像検索ポータルサイトを設置して,文献検索と同様,キーワードによる質問と概念的にマッチする画像がWWWから取り出せるようにするのが目的である。質問が与えられると,ポータルサイトのデータベースからとWWWからとの画像をマージした形で結果を出力する。後者の画像には十分な注釈が付けられていないことが多いが,その場合には,質問をしたユーザに注釈を付けてもらい,これを画像と共にポータルサイトのデータベースに蓄積することで,以後の概念的検索に役立たせるようにした。
ユーザによる画像への注釈付けの枠組みでは,写真術を参考に求めた画像のタイプ(4種)ごとに注釈付けフォームを定めておき,注釈付けの際には画像のタイプに応じたフォームを提示して,そこでのスロットの中に思いつくキーワードを入力してもらうようにした。スロット名は入力すべきキーワードが属する概念の名前を示す。スロットの数は最大でも4つしかない。不適当な入力キーワードは,概念的フィルタリングで整理される。注釈付けフォームと概念的フィルタリングの効果は,画像検索エンジンGoogleへの100の質問に対して得られた適合画像を対象に調べた。概念的フィルタリングを使うと,キーワードの出現頻度に注目するよりも,より適切なキーワードが得られることを実験的に確かめた。
ここでの画像検索ポータルサイトの実現には,注釈付け支援に加えて,質問と概念的に見合う画像をポータルサイトのデータベースから取り出す仕組み,および商用のサーチエンジンと協同して働く仕組みが必要である。前者に関しては,ウェブディレクトリをもとにして編集したウェブディレクトリ辞書を用いる概念的マッチング法を定式化し,その有効性を種々の実験を通じて確かめた。また,後者に関しては,サーチエンジンExcite,Yahoo!ならびにGooと協同で働く仕組みを実現した。
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