研究概要 |
不確実状況下でのマルチエージェントの合意形成フレームワークを設計・実装することにより,大規模知識の実時間処理手法の開発を行った.研究成果は,複雑なマルチエージェントの合意形成を効率的に解決するアルゴリズムの開発,アドホックなマルチエージェント環境における情報共有アルゴリズムの開発,そして,不確実状況下における知識獲得に関するアルゴリズムの開発,の3点であり,これらに関連した研究成果として,論文誌4本,国際会議2本を発表した. 次に,ユビキタス環境をターゲットとした,不確実状況下でのマルチエージェント合意形成フレームワークの開発手法の検証・評価のために,応用システムを試作した.具体的には,アドホックネットワークを前提とした大規模な文献情報共有システムを開発し,情報ネットワークの動的変化に対応するマルチエージェントに基づく実時間知識処理,および大規模な文献情報の処理効率に関して,提案手法の有効性を実証・確認した.また,不確実状況下における,マルチエージェントの新たなアプローチについて研究した.研究成果は,ユビキタス環境のための文献情報共有システムの試作,ユビキタス環境における高度なWebシステムのための実装技術の実現,不確実な要因を持つ事象を教育支援するための定性推論の設計と試作,オークションに基づくマルチエージェント問交渉におけるプロトコルの設計,の4点であり,論文誌6本,国際会議7本を発表した. 最終年度では,マルチエージェントに基づく具体的な試作システムを実装し,提案手法の有効性に関して,実践的な知見を得るとともに提案モデルの有用性を検証した.ここでは,またエージェントによる適切な自動処理に関連して,実時間制御が強く要望される教育支援の分野における応用システムをWebアプリケーションとして試作した.具体的には,分散環境における意思決定をWebアプリケーションに基づく,エージェントシステムとして構築した.本試作システムの開発では,応用分野に特化した提案手法の拡張について検討すると共に,応用レベルでの提案手法の不備や欠点について考察し,改善方法について検討した.本年度の研究成果は,(1)不確実性を含む大規模知識に関連した文献情報支援システムの試作,(2)ユビキタス環境における高度なWebシステムのための実装技術の実現,(3)不確実な要因を持つ事象を教育支援するための定性推論の設計と試作,(4)不確実性を含むマルチエージェント間交渉におけるプロトコルの設計,の4点であり,論文誌9本,国際会議3本を発表した.
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