研究概要 |
本研究は画像処理技術を利用して,口腔外科の診療に役立つ計測技術を開発するものであり,次の3つ研究テーマからなる. (1)ステレオによる頭蓋部の形状計測 ステレオ画像計測の技術を応用し,口腔外科の診療や手術時に必要となる患部の部位の形状の計測する装置を開発し,実用性を検討した.これにより,この方式で外科治療に十分な精度の計測ができることを確認した.しかし実際の手術での使用では計測の手間,あるいは処理時間の改善が必要であり,今後これを解決する予定である. (2)レントゲン写真による頭蓋骨の形状測定 レントゲン写真をステレオ視することによって,オトガイ孔などの頭蓋骨の特定部位の位置を計測する.これに必要な基準を与える基準物体と呼ぶ立方体状のワイヤーフレームを開発した。これを用いた実験の結果,治療に利用するのに十分な精度で特定部位の計測ができることを確認した.この技術は特許として出願したほか,論文として発表した. (3)民生用デジタルカメラによる皮膚の色の計測 民生用デジタルカメラを用いて皮膚色などの計測を可能にする手法を開発し,実験により有効性を検証した.現在論文を準備中である.また本テーマに関連してマルチスペクトルカメラのフィルタの構成法に関する特許を出願した.
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