研究概要 |
家庭やオフィスで人間の生活をサポートするサービスロボットに対する作業の対話的教示を研究している.そのための,作業モデルの表現法,物体モデルの表現法と物体情報の教示法を開発し,さらに実験システムの開発と検証実験を行った.冷蔵庫から缶飲料を取り出す作業と,エレベータのボタンを操作して乗降する作業を対象とした. 作業モデルの表現法:作業のモデルに,作業の手順,各手順を実行するために必要な情報,その情報がないときの教示方法を記述する.ロボットは各作業を実行する際に,必要な情報を保持していなければ,それをユーザに問い合わせることにより,ロボット主導の対話的教示を実現する. 物体モデルの表現法:家庭やオフィスに存在する物体について,どのような情報を教示する必要があるかを分析し,物体の形状や見えおよび機構(ドアなど)の不変の情報と,物体の位置と機構の状態(ドアの開き具合など)の可変の情報に分類し,いくつかの物体についてモデルを構築し,さらにGUIを用いた教示システムを試作した. 認識対象の教示方法:環境内のどの部分に注目して認識処理を行うかを簡易に教示する手法を開発した.LEDを利用した教示器を開発し,それによって教示される情報と作業モデルおよび物体モデルとから認識対象の位置と観測すべき画像特徴を決定する手法を開発した. 認識処理の対話による補助:照明条件の変化などにより物体認識が成功しない場合,認識結果から現在の可能な状況を推定し,それらを識別するために必要な情報をユーザに問い合わせるという,対話的認識手法を開発した. 実験システムの構築:6自由度マニピュレータおよびハンド,カメラ,およびレーザ距離センサを備えた作業移動ロボットを開発した. 認識処理の教示実験:上記の2つの対象作業における画像認識処理の教示実験を行った.具体的には,冷蔵庫の形状やハンドルの位置,エレベータのドアやボタン,あるいはエレベータへの経路の教示を行った.
|